嘘 ページ3
Ymside
頭がガンガン鳴って痛くて目が覚める。
んっ…、あれ…ここは…？
「やまっ！？やま！！」
「ゆ、と…？」
隣にいた裕翔が傍にあったボタンを押すと聞き覚えのある声が聞こえた。
「山田！」
「涼介っ、」
メンバーだ。でもなんで…？
「ゆ、と、ここ、どこ、？」
「病院だよ、やま…倒れたんだ、突然」
「へ、…ごめ、なさ…」
どうしよう、せっかくのメンバー全員での振り入れ日だったのに…
痛みに耐えながら俯くと裕翔の切羽詰まったかのような声が聞こえた。
「何言ってるの、やまの方が大事だよ…！」
周りのメンバーもそうだとばかりに首を縦に振っていて。
目頭が熱くなるのを感じた途端、ぶり返してくる頭痛。
あっ…くそ、っ！
「やま、大丈夫！？頭痛いのっ？」
激痛に襲われて頭を抱え込むと裕翔や大ちゃんたちが心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「ちょ、っと…痛い、かも」
本当は頭が割れるんじゃないかってくらい痛いけど皆を心配させたくなくて嘘をつく。
ちょうどそこに医者も来て頭痛薬を貰うとすぐに飲み込んだ。
薬のおかげか程なくして痛みは緩和されていった。
医者の説明によると一連の出来事は疲労によるものらしい。
健康管理は社会人として、ましてやアイドルとしての基本なのにそれができなかった自分に腹が立って仕方がない。
念のため、数日入院していくつかの検査を受けることになった。
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作者名：ふう | 作成日時：2021年2月5日 13時
