【wrwrd】JKでサラリーマンな父さん…と私【os】 (ページ5)

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4、少女の確信ページ5

ついていくと知らない宿についた。
多分この人はここに住んでいる人では無いのだろう。でなければ宿は使わない。

立っていると「座ってー」と声がかかった。
座って待っていると、何やらお茶をいれている。二つ、だから多分私の分もいれてくれているのだろう。

「はい、熱いから気をつけてね」
「あり、がとうございます」
「どういたしまして」

お茶を出してくれた。この人は誘拐犯でもなく優しい人だったのだろうか。

「…暖かい」

自然と呟いた。それから少しずつ、自分の意思を伝えるように話した。

「暖かいの、久しぶりです。ずっと、水だけなので」

そう伝えると、その人は少し悲しそうな顔をして、質問をした。

「お名前は？」
「A…桜井、A」
「…どうして、寒い中外にいたの？」
「どこにも居場所が無かったから。いつもあそこにいて、今日は雨が降ってたけどあそこにいるしかなかった」
「……辛く、ないの？」
「…………私には幸せがわからないから、辛いもわかんないや」
「ッ………」

答えていくと、その人は辛そうな顔をした。
…辛そうと言っても辛いはわからないのだけれど。

「幸せになりたいとか、思ったりしないの？」
「絶対に叶わないけど、幸せに触れて見たい気持ちはあるよ」
「もし、俺が幸せにしてあげるって言ったら？」
「家も学校も捨てていくだろうね」

質問に答えると、こんどは考え始めた。
少しの間沈黙が続き、その人はいった。
そして私は確信した。

「幸せにして見せるから、俺の家族…養子にならない？」
この人は誘拐犯でもただの優しい人でもなく、私を救ってくれる人だって。