【七つの大罪】8人目の大罪人はゴウセルの恋人です

十五話<記憶２> ページ16

エリザベスside

ゴウセル様がAを連れ帰ってきてから約10分がたった。

ゴウセル様は魔力の使いすぎだといっていたけど、何となく不安だ。

エ「A、大丈夫かな……」

メ「心配すんな、エリザベス。

前にもこういうことあったから大丈夫だ」

エ「ですね…」

みんなには、無茶をしてほしくない。

例えそれが、どんなことであっても。

Aは私の大切な友達だから……

そんなことを思っていると、ゴウセル様とAが降りてきた。

エ「A、大丈夫？」

「誰…ですか？」

ゴウセル様はAを見ながら言った。

ゴ「心配するな。

一時的に記憶が失われているだけだ」

エ「Aは、大丈夫なんですか？」

メ「そうだゴウセル、お前の魔力でどうにかできねーのか？」

ゴ「それはオレもやろうとしたが、Aには断片的にしか記憶がない。

それはオレにもムリだ」

エ「そうですか……」

私たちのやり取りを少し離れたところで聞いていたA。

はじめて会った時のような笑顔はなく、怯えたような顔をしていた。

エ「A」

「あ、はい」

エ「私はエリザベス。

よろしくお願いしますね」

「わかった……」

すぐにゴウセル様の後ろに隠れてしまうA。

エ「ゴウセル様のことは、覚えているのですか？」

「わからない。
……だけど懐かしい香りがする」

メ「記憶がなくても覚えてるんだなー」

エ「そうですね。なんだか羨ましいです」

ゴ「恐らくだが、記憶は直に戻るハズだ」

「ゴウセル、私はどうなるの？」

ゴ「大丈夫だ。オレが必ずAを守る」

「ありがとう。

なんだかこうしてると落ち着く」

Aはゴウセル様に背中を預け、少しだけ嬉しそうな顔をしていた。

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