あなたと戸締まり (ページ6)

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当たりを見回しながら、薄暗い廊下を歩く。暑い日のはずなのに、実はさっきから背中にぞくぞくと悪寒がある。それはAも同じで、
『廃墟なめてたかも。』私たちはさらに大声を上げる。

「あの、わたしーっ！あなたとーっ、どこかで会ったことがあるような気がーっ！」
『鈴芽…それナンパにしか聞こえないよ｡』いやAもほぼ変わらないでしょ。なんならAの方がナンパしてるっぽくない？そんな事は置いといて。

「『…帰ろっかな。』」まあそうなるよね｡急にばからしくなる。あの青年に会えたとしても、Aも私もどうするつもりだったのだろう。もし逆の立場なら、もし道を尋ねただけの相手がどこまでも私の跡を追いかけてきたとしたら、それはちょっと、だいぶ怖い。て言うか…この場所…

『そろそろ本気で怖い｡』…うん。
「かーえろ！」ことさらに明るく大きな声で、私たちはくるりと方向転換する｡

と、目の端にちらりと映ったものが、Aの足を止めた。

『…扉？』

廊下から出て見るとそこはホテルの中庭だった。すっかり天井の落ちたすかすかな鉄骨ドームの下に広くて大きい円形の空間があり地面には透明な水が薄く溜まっている。
その水たまりの中央に、

白いドアがぽつんと立っていた。

他にもレンガとかパラソルの残骸とかが散らばっている中で、そのドアだけは誰かから特別に許されたみたいに、あるいは崩れる事を禁止されてしまっまたかのように孤独にくっきりと立っていた。

『あの人、扉って言ってたよね…』Aが言い訳のように口に出し、ドアに向かう。私も置いてかれないようについて行った。

雨水なのかそれともどこかからまだ水が来ているのか、タイル敷きの床に溜まった水には15センチ程の深さがある。

ローファー濡らしていいのかな…？と思ったがAは何も気にしてなさそうにズカズカと入って行ったのでまあ私も気にしなくてもいいだろうと思った。

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あれ…？なんかスマホで書いてみたけどなんかめっちゃ長くなっちゃった。ほんとに申し訳ないですm(_ _)m！！
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