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「きれい…」口が勝手に呟いた。
距離が縮まっていく。私はうつむいた 私たちの自転車の車輪の音と青年の足音。
鼓動が何故か高まっていったがこれは多分Aも同じだと思う。
私たちはすれ違う。
私たちは以前どこかで…。
「ねえ、君たち。」
優しく低い声。
立ち止まり振り返った。
「この辺りに廃墟はない?」
『廃墟?』
まさかの問いに言葉も出なかった。
「扉を探してるんだ」 扉…?何?廃墟に扉があるって事?
『あ…人の住まなくなった集落だったら、あっちの山に有りますけどぉ……』
「あ!あるねそこ!」
青年はにっこりと微笑んで
「ありがとう」くるりと背を向けて私たちが指した山へすたすたと歩いて
行った。少しも振り返らずに。
「『…は?』」えっ、なんかあっけなくない?
踏切を待っているAの顔が少しだけ赤い
「A〜もしかしてさっきの人に一目惚れでもしちゃった?笑」いつもの事なら違うし!とか言ってくるでしょ。
『…』 …え?まさかホントなのか!?
「すーずめ!A!」
後ろから肩をトントンと叩かれた。
「おはよ!」
「絢おはよ!」
『…あ、絢おはよう』
「あれ?Aあんた、なんかちょっと顔赤くね?」
『えっ、うそ!赤い!?』
Aは両手で自分の頬を挟んだ。『えっ熱。』
「赤けーね。どんげしたん?」
遮断機のバーが上がって踏切に溜まっていた皆が、一斉に歩き出す。
「…どんげしたんと?」
1人立ち止まったままのAを見て絢が心配そうに言う。
『ごめん!忘れ物思い出した!』
「ちょっとA!?」私はビックリした。絢も
「え、ちょっとちょっとA、遅刻するが!」って。
Aはそのままどっか行こうとするので私も着いて行った。
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青瀬ゆこ@リクをくれ。(プロフ) - 面白かったです!!映画見に行こ() (2022年12月5日 20時) (レス) id: e9357f131c (このIDを非表示/違反報告)
紅 - オ.リ.フ.ラ報告ほんとに皆様ありがとうございます😭😭 (2022年12月5日 20時) (レス) id: 15698a52e1 (このIDを非表示/違反報告)
灰羅。_ 低浮 _(プロフ) - オ.リ.フ.ラ立ってますよ~ (2022年12月5日 16時) (レス) id: e171789842 (このIDを非表示/違反報告)
青晴空@SFC所属(プロフ) - オ リ フ ラ立ってますよ…! (2022年12月5日 15時) (レス) id: a4091b20af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅 | 作成日時:2022年11月30日 17時