名探偵コナン人魚姫～NYの恋～Ⅱ (ページ25)

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No.75 ページ25

零「わかっています。でも僕はあなたにすでに捕まってしまっています」

『どういうことですか？』

零「あなたという、存在に俺の心は捕まってしまったようだ」

『降谷零さんぽくないですよ。そんなこと言うの。』

零「いいえ。本心さ。」

『はぁ。そういうことにしておきます。それより、さっきの通りを右だったんですけど。迷子ですか？』

零「違いますよ、無性飲食をなされたのでその罪滅ぼしと言いますか…このまま、連れ去られてください」

『どこに連れて行く気ですか？捕まえないといったじゃない！』

零「何をそんなに焦っておいでで？何か過去に法を破ることでも？」

『このまま、うちに帰れると思っているんですから、それに、知らない場所に連れていかれることに恐怖を覚えないなんて人はいません』

零「そうですか。今はそういうことにしておこう。」

それから、しばらく、Aが先ほど読んでいた本についてや日本への熱い思いを聞かされたところで着いた先は湘南の海だった。しかし、普通の海とは異なり波が青白く光っていた。

『これは…』

零「はい、Aさんのために。どしても見てほしかったんです。だから、わざと起こさなかったということは内緒ですけれど」

そういいながら、降谷は人差し指を自分の唇に当て、ウインクをしながら顔を横にコテンと横に倒した。

『その手には、乗りませんよ。』

零「それは残念」

『…で、でも、ありがとうございました。』

零「今日は姫を喜ばす王子だからな」

『・・・・』

零「何か反応してくれないか？」

『あ、ごめんなさい。不思議ね。』

零「何がだ？」

『海ほたるや夜光虫などいろんな生物のおかげこの景色が見れていて、ただ彼らは生きているだけ何こんなにも人の心を動かすには容易だということがよ』

零「あなたも、世界中の人の心を動かしているじゃないか」

『…そうだといいけれど、あなたは、私は表舞台で輝いて見えているのでしょうね』

零「どういうことだ？」

『これ以上は、内緒。今日はありがと。』

零「まったく、俺の周りには秘密を持っている人が多いな。」

A自身は舞台で歌っている自分は必死に裏の自分を隠そうとしているからそんな風に見えるのではないかと考えていた。また、いつまで、この秘密が守れるのかそんな不安な気持ちになっていた。でも、いまだけ、いまだけは、工藤Aとして、目の前の景色に癒されていた。