強がり ページ25
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「形なんて関係ねぇ、
俺には、Aしかいないんだよ 」
『･･･焦凍 』
「･･･Aが居なくなって、飯も作らなくなって、引きこもって、一時期ヒーローをやることすらなくなっえた。 けど、緑谷に言われたんだよ」
『･･･緑谷が？ 』
「"君が生きなきゃ、Aが生きていたことを、一つの命を救ったことを無駄にしてしまう"って。
去ろうとした俺を･･･泣きながら止めてくれたよ」
思い出しながら笑う焦凍は、もう二度とそんなことは考えないだろう。 私が言えない言葉を、緑谷が繋いでくれた。本当に、かっこいいヒーローだ。
「･･･もう、あんなこと二度としない。
Aが、ヒーローとして生きた証を残すために」
「Aが手伝わなくても家事も掃除も、早起きだって全部できる。 ･･･大丈夫だ」
「たまに緑谷や飯田に来てもらおう。今まで避けていた分取り戻さなきゃいけねえしな」
『･･････焦凍？ 』
途端に饒舌に話し出す様子に違和感を覚えた。
下を向いて、よく表情が見えない。
けど、何を思って、感じて、言葉を吐いているのか。
分かるよ、焦凍。
･･･だって、声が震えてる。
「A･･････あぁ、猫のAもいるしな。名前が同じなのは紛らわしいが、悪くない 」
『･･････うん、そうだね 』
「先に行っちまって悪ぃが、あのイタリアンにも行ってみる」
『･･･私も行きたいのに 』
「夢の国、チケット期限切れちまうな」
『･･･休みが会う人と行ったらいいよ』
「今年の夏祭り、過去最大の花火大会だって、気合い入れてAだけじゃなくて俺まで浴衣を新調させられたのに」
『･･･ごめんねっ、無駄金になっちゃった』
「･････････俺、Aがいねえとやりたいことなんて見つからねえよ。A以外、なんて絶対ねえよ」
･･･馬鹿。
明るく振舞って、焦凍を励ますはずだったのに
今更別れを自覚して、涙を隠すことができずにいる
返す言葉は何とか振り絞って
それでも貴方の顔を見ることができないの
そんなこと言われたら
折角 覚悟して強がってたもの全部
崩れていっちゃうじゃない
「･･････この強がり」
『･･････っ、』
「俺の前では強がんなって、何回言えばいいんだ」
再び抱きしめられて伝わる体温は温かくて
今だけは生きてるって実感をくれた。
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莉緒(プロフ) - ボロボロ泣きながら読みました…！切なくて綺麗な世界観でとても引き込まれました。ありがとうございました！ (2月6日 15時) (
レス) @page31 id: ff1884054a (このIDを非表示/違反報告)
Ray.(プロフ) - 雨色の水滴さん» コメントありがとうございます！アカウント変更で通知が来ず返信が遅れてすみません…！ そう言っていただける作品作ることができてよかったです。本当にありがとうございました！ (2021年8月4日 16時) (レス) id: 6a8a3c2907 (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 涙がボロボロ溢れてきます!!素敵な作品をありがとうございます!! (2021年6月19日 9時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
Ray.(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます！！そのお言葉で、作って良かったなと思えます(泣) ご愛読いただけて本当に感謝です！ありがとうございました！ (2020年8月3日 6時) (レス) id: a96d419ae2 (このIDを非表示/違反報告)
みー - とても感動しまし!! 何回読んでも涙が止まりません。 この物語は私にとってとても大切な物語ですありがとうございまし!!! (2020年8月3日 4時) (レス) id: 308ccef0fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ray. x他1人 | 作成日時：2020年3月30日 18時
