好きなんて、言えないよ。

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「お疲れ様っ」






部活の休憩中、ベンチで座り込む俺の横から

スっと現れたスポーツドリンク




視線をやると、笑顔のA。






そら「ありがと」





と、言うと、うん、と

俺の隣に座った






だけどね、すぐAの視線は俺からそれて

えいちゃんの方にいっちゃうんだ






いつもだよ、俺と話してても

俺を見つめるAの視線は俺の先のえいちゃんに

向けられてるってことくらい分かってる






Aはえいちゃんがすきなんだ、

だから、しょうがない、







恋をしてる女の子はすごく可愛いって聞くけど

好きな人が恋をしてるとこなんて、ちっともそうは思わない





むしろ、辛いよ、

えいちゃんに恋をしてるAなんか見たくないよ









もっと、俺を見てよ

えいちゃんだけじゃなくて、俺を









そら「ね、」









「ん？」








そら「えいちゃんのどこが好きなの」








「えっ？な、なに急に」









Aからえいちゃんが好きだって聞いた時は

正直体が壊れるくらい衝撃が強くて、

立ち直れないほどだったから、

えいちゃんのどこが好き？なんて聞けなかった









そら「いいから、言って」









「…自分でもわかんないよ…。

なんか、いつの間にか好きになってた、っていうか」









なにそれ、俺だっていつの間にか好きになってたよ

小学校、いや、幼稚園の時から、ずーっと





Aしか見てこなかった

いや、Aしか見えなかった。









きっとこれからも

俺にはAだけ、

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