好きなんて、言えないよ。

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ツリメside









トイレに行きたかったんだけど

グラウンド近くのトイレが工事中で入れないから

俺達の学年のトイレに入ろうと2階に来た








そして曲がり角を曲がったら

誰かとぶつかって







でもそのぶつかった相手は

顔を真っ赤にして泣いてるAちゃんで。








「みっくん…」








Aちゃんは目に涙を浮かべながら

悲しそうな顔をして俺を見つめた









そしたらAちゃんまた泣き出して

そっと、俺に話し出した









.









「…さっきね…？教室でね、舞ちゃんがそらに

好きって言ったら困りますか？って聞いてたの」









.









……やっぱり。

舞ちゃんはそらがすきだったのか






薄々気づいてた。好きだろうなって。



鈍感な俺でもわかったよ

Aちゃんみたいに女の子の顔になってたもん

そらと話す舞ちゃんは。









.









「そしたらね、舞ちゃん…

そらのほっぺにキスしたの」









.









ツリメ「は…？なにそれ」








意味がわからなくて、思わず

言葉が漏れた。









「それ見たら、なんかよくわかんないけど、

めちゃくちゃ胸が痛いの…苦しくて

もやもやするし、涙は出るし

…昨日舞ちゃんに、そら先輩に惚れちゃいましたって言われて

思わず、だめって舞ちゃんに言っちゃったの。

おかしいよね、そらは私のものじゃないのにさ」









…Aちゃんは、確実にそらのことを

徐々に好きになり始めてる







Aちゃんに教えてやりたいよ。

それは、恋だよって。






Aちゃんは、きっとそらが好きなんだよって。









「っ…ははっ…、ごめんね？

私、泣いてばっかのほんとだめなやつだ…」









.









ツリメ「…ごめんAちゃん

ひかないでね…」









.









俺はたまらくなって

Aちゃんを抱き寄せた






こんなことしたくなかったけど

今までの感情が爆発して、






Aちゃんの想いと

そらと舞ちゃんへの怒りでいっぱいになって

思わず、ぎゅーっと抱きしめてしまった






そらが傷つくってわかってたのに

今は、Aちゃんを抱きしめたかった









.









自分が好きな女の子、泣かせるなよ

そらの馬鹿野郎。

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