好きなんて、言えないよ。

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「そら、おはよ！」





いつも通り柔らかく微笑んでくるA

俺もいつ通り、うん、と返事。






そしていつも通りチラッとえいちゃんの机を見る

と、ここはいつも通りではなく、えいちゃんがいない






「ねえ、結愛、えいちゃんは？」





曇った表情で結愛に話しかけたA

突っ伏して携帯をいじってた結愛は口を開いた







結愛「熱出て休みだって」




その結愛の言葉でAの表情はますます曇り

眉を八の字にして困った顔、





そんな顔すんなよ、

俺がいんじゃん、なんてな。









担任「ほらー席着けー」






担任が日誌を持って入ってきた






担任「えーと、今日は…

休みがエイジだけだな、」





担任が日誌にペンでチェックして

隣に置かれた茶封筒を渡しはじめた







担任「えー今から渡す封筒は

かなり重要なものなので、開けないで

そのまま保護者の人に渡すように」






担任が喋りながら渡して

段々と前から配られてくる






後ろのみっくんに渡すと

ねえねえ、って指で肩をつんつんしてきた





そら「なに？？」





ツリメ「えいちゃんいないから、ちょっとは

Aの目もそらに行くんじゃない？？」





なんてお気楽な事言ってるけど

全然そんなことないんだよなあ、






たぶんずーっと今日はあんな感じ

ボーッとして俺と居る時もえいちゃんのことばっか

頭ん中で考えてると思う、







先生「あーっと…誰かエイジにこの封筒

家まで届けてくれないか？？先生、職員会議あるから」







教室はざわざわと騒ぎ始めた

えいちゃんと仲良いリクヲ？くんは隣のクラスだし

…俺も知ってるけど、何か行きたくない

ここで言ったら、Aに私も行くとか言いそう







先生と目がが会わないように、ふと

窓の方を見てグラウンドを眺める









先生「誰もいないか〜？じゃあ、遅くなるけど先生が」









.







「先生っ！私行きます！」









腕をピンと上げて少し恥ずかしそうな顔をして。

その声の主は、Aだった








結愛「ちょっと、あんた家知ってんの？」(ｺｿｯ






「え、知らない」(ｺｿｯ





結愛「ばか、どうすんの」(ｺｿｯ






「後で先生に聞くよ」(ｺｿｯ







結愛は、はぁ、と言って頭を抑えた

そして俺の方を見ると、俺に向かって

口パクで、どーすんのよ、って俺に聞いてきた








俺もやけくそになって、結愛に

知らねーよって言って机に伏せた

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