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言いにくそうに話してくれた伊地知さんに、バックミラー越しに視線を向けた。


「なるほど…術師は他に?」


「いえ…本日は禪院さんお1人となってますが…」


応援を呼びましょうか?と不安げに問いかける伊地知さんに対し、首を横に振った。



「確認しておきたかっただけなので大丈夫です。ありがとうございます」


それっきり、時々伊地知さんがバックミラーを見るだけで、会話が途切れてしまった。というのも、私が話しかけづらい雰囲気を出してしまったのが原因なのだろうけれど。


目的地付近に到着し、道の脇に停車した車から降りて着物の皺を整えた。目前の廃病院から放たれる禍々しい雰囲気を肌で感じながら、再び伊地知さんと会話を交わす。



「帳を下ろします。くれぐれも、お気をつけて」


詠唱が終わると、みるみるうちに辺り一体が夜になっていく。帳が完全に降りる前に振り返り、伊地知さんに声をかけた。



「30分です」


「…えっ?」



「30分経ってもし私が戻らなければ、死んだと見做してここから離れてください。私のせいで犠牲者が増えるのは忍びないですから」




まぁ最も、ヘマをすること自体許されてはいないが。




伊地知さんの返事を待たずに廃病院の中へと足を進める。懐中時計を取り出して時間を確認すると、現在時刻は14時丁度だった。これより30分以内に呪いを祓い、伊地知さんの元へ帰る。





廃病院の入り口に踏み行った途端、低級呪霊の群れが襲いかかってきた。1級相当以外にも多くの呪いが発生しているようだ。




「あまり煩わせないでください。手加減はできませんので」




私の術式は、禪院家相伝の術式。『十種影法術』だ。



術式を発動させるため、両手を使って影絵の犬の形を作る。式神を召喚するための印だ。






「玉犬___」



自身の影を媒体として、式神、2体の玉犬が召喚された。戦意の表れを象徴するかのような遠吠えに、低級呪霊たちは身震いしているようだ。





「喰っていいよ」

・→←1級術師



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アキ(プロフ) - えもう最高すぎます……。続き楽しみにしてます😭💕💕 (2022年10月1日 10時) (レス) @page24 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 最高です❗️ こうゆうのを待ってました‼️ (2022年8月11日 12時) (レス) id: 6c9eae5177 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - うわああめっちゃすきですこれ!!!更新止まってるみたいなのでよければ再開してほしいです(T_T) (2022年7月23日 18時) (レス) @page24 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
ベリーショート(プロフ) - ミリカんさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2022年4月23日 16時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカん - 最高に面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2022年3月22日 3時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベリーショート | 作成日時:2022年1月5日 23時

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