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資料を捲りながら、補助監督は口を開いた。
「実は最近、この近辺で呪詛師の目撃情報が報告されていまして…」
呪詛師__呪殺を生業とする者たちの総称だ。私も何度か交戦したことがある。
「あくまで予測ですが、このトンネルに呪いを誘き寄せているのだと思われます。有名な心霊スポットということもあり、訪れた人々によって噂に尾ひれがつき、ここまでの事態になってしまったと…」
「なるほど。緊急、ということは呪詛師に動きがあったのですか?」
私がそう言うと、補助監督は顔を曇らせながら頷いた。
「昨日、このトンネルに肝試しに訪れた男子中学生3名が行方不明になっています。改めて今回の任務ですが、お2人には行方不明者の保護または
「しゃあないな。A、行くで」
帳が下ろされると、それまで暇そうな顔をしていた直哉兄様が、大きな欠伸をして歩き出した。それに置いていかれないように、私も小走りで直哉兄様の背中を追いかける。
入り口付近までくると、肌にまとわりつくような気味の悪い呪力を感じた。トンネルの上に付けられた信号機が不気味に青い光を放っている。
「はぁー?こんだけ呪いを肥大化させたってのに、来たのは術師2人だけかよ!!ついてねー!!」
トンネルの中腹まで進んだ時。不意にそんな声が響き渡った。発したのは私でも、ましてや直哉兄様でもない。進行方向に向かって目を凝らすと、呪詛師と思しき男の姿を視界に捉えた。
「…けどまぁ、お前らを殺せば他の術師も来るのかな?」
呪詛師から発せられる殺意を肌で感じた瞬間、玉犬を出して戦闘態勢に入った。今のところ行方不明者は見当たらない。この男を倒して情報を吐かせた方が早いか。
ふと、左足に感じた違和感。
「___は?」
油断していた訳ではなかった。
「まずはお嬢さんから死んでもらうよ」
足元が歪む感覚に襲われたかと思えば、みるみるうちに地面が変形していく。そこでやっと気が付いた。このトンネル自体が巨大な呪いであると。
私と呪詛師の男を飲み込むようにして、結界の内側へと引き摺り込まれていく。
「A!!」
直哉兄様の声が聞こえる。しかし、私と兄様の間を遮るようにして結界が張られていたため、必然的に私たちは引き離されることとなった。
直哉兄様がいる結界の外側にも、次々に強力な呪いが姿を現す。
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アキ(プロフ) - えもう最高すぎます……。続き楽しみにしてます😭💕💕 (2022年10月1日 10時) (レス) @page24 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 最高です❗️ こうゆうのを待ってました‼️ (2022年8月11日 12時) (レス) id: 6c9eae5177 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - うわああめっちゃすきですこれ!!!更新止まってるみたいなのでよければ再開してほしいです(T_T) (2022年7月23日 18時) (レス) @page24 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
ベリーショート(プロフ) - ミリカんさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2022年4月23日 16時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカん - 最高に面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2022年3月22日 3時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリーショート | 作成日時:2022年1月5日 23時