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才能ある落ちこぼれ ページ1

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___「アンタなんか生まなきゃよかった」






私は、望まれない子どもだった。



禪院家当主、禪院直毘人と非術師の母との間に生まれた妾の子。生まれながらにして私の境遇は酷いものだった。禪院家の人間からは、穢れだの不純物だのとよく罵られたものだ。


それよりも酷い仕打ちを受けたのは、母親の方だったが。当主に取り入ろうとした不埒者として罰を受け、母は家を追われた。その後も社会的に圧力をかけられ、やがて母は自ら命を絶った。その時の私はまだ、物心つく前の子どもだった。



「__お前が男に生まれていたなら」


母は口癖のように、そう言っていた。私が女だから、母は苦しんだのか。もし男に生まれていたのなら、母は幸せになれたのだろうか。今となっても、この考えが頭から離れることはない。





さて、そんな私が生かされた理由は、ただ一つ。呪術師としての才能があったから。相伝の術式を受け継ぎ、それを使いこなすことができたからだ。

幼い頃から鍛錬の日々。生かされているだけマシだと思え、と言われていたものの、死んだほうがマシだと思えるような毎日だった。



そして私にとっての災厄は、それだけではなかった。






「お前が俺の妹?ほな、今日から俺の下僕な」


腹違いの兄、禪院直哉との出会いだった。この兄はいつも私を手元に置き、自身の身の回りの世話をさせた。勿論それは可愛がっているわけではなく、召使いのように働く様を見て嘲笑うためだ。少しでも粗相を起こせば、殴られ蹴られる暴力の嵐。



「ごめっ…ごめんなさい…!許してください…!」


「自分これで何度目なん?ろくに日本語も覚えられへんのか。ごめんなさいやのうて、申し訳ありませんでしたやろ」


子どもにできることなんて限られている。それでもこの人に求められれば、絶対に応えなければならないのだ。涙を流しながら、失態を許してほしいと懇願しても兄はその手を止めることはなかった。それどころか、薄ら笑みを浮かべて楽しんでいるようだ。



後ろから髪の毛を鷲掴みにされ、何度も何度も畳に打ちつけられる。擦れた額から血が流れようと、意識を失おうと。何度も何度も。痛みすら感じられなくなるほど。




いつからか、心にぽっかりと穴が空いたように、何も感じなくなった。



いつからか、家の命令に従うだけの人形になった。



こうやって雑用をこなして呪霊と戦って、実りのない人生を終えていくんだと。そう思っていた。それが私だった。

1級術師→



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アキ(プロフ) - えもう最高すぎます……。続き楽しみにしてます😭💕💕 (2022年10月1日 10時) (レス) @page24 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 最高です❗️ こうゆうのを待ってました‼️ (2022年8月11日 12時) (レス) id: 6c9eae5177 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - うわああめっちゃすきですこれ!!!更新止まってるみたいなのでよければ再開してほしいです(T_T) (2022年7月23日 18時) (レス) @page24 id: 44246302dc (このIDを非表示/違反報告)
ベリーショート(プロフ) - ミリカんさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (2022年4月23日 16時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
ミリカん - 最高に面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2022年3月22日 3時) (レス) id: 17b40665d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベリーショート | 作成日時:2022年1月5日 23時

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