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28話 快斗side ページ28

快斗「名探偵がいる割に、随分チョロかったな・・・」

 名残雪(リメイニング・スノウ)を片手に屋上へと続く階段を駆け上がりながらニヤリと笑みを漏らす。・・・名探偵はここまで追ってくるだろうか。中森警部達は俺が下に向かわせたエレベーターを追って下に降りていくだろうが・・・Aに疑いの目が向かないよう彼女のいるであろう110階よりもかなり下の50階に向かわせたのだが、多少は疑われちまうかな・・・

 そうこう考えているうちに屋上へ着いた俺は、どでかい月に名残雪(リメイニング・スノウ)をかざす。

快斗「・・・外れか・・・」

 軽くため息をつき、宝石を懐にしまった俺の背後から、誰かの足音が聞こえた。・・・名探偵・・・じゃねえな・・・この音から察するに、若い女の足音か・・・敵意は感じられないが、相手がどんな奴かわからない今、迂闊に行動は・・・と考え込んでいるうちに足音はすぐそこまで近づいてきていて・・・

A「か、怪盗キッドさん・・・ですよね?」

 聞き覚えのある高い声がして振り返ると、そこにいたのは・・・高所恐怖症である彼女にとって屋上の高さは怖かったのか、わずかに縮こまっているAだった。

快斗「・・・ええ、そうです・・・これはこれは美しいお嬢さんだ、何故こんなところに?」

A「えっと・・・どうしても貴方に会いたかったから・・・」

 俺の方が身長が高いため、上目遣いになっているAと、その言葉の可愛さにポーカーフェイスを保つのに必死だった。・・・いや、惚れてる女に会いたかった、なんて言われて平常心を保つなんて、普通の男にはできないだろう、多分。

快斗「・・・私に・・・それは何故?」

A「・・・確かめたいことがあるんです」

 ジッと、俺の目を見つめながらそういったAは、無言のままじりじりと俺に近づいてきて・・・やがて、俺の身体とAの身体が密着した。・・・彼女の瞳の色はエメラルドグリーンのはずなのに、そこに移る俺の顔が赤いのは、今の俺の顔がどれほど真っ赤であるかを教えてくれる。

快斗「お嬢・・・さん・・・?」

 ・・・Aは、パーソナルスペースが広い方だ。だからここまで至近距離で見つめられたこともないし、密着されたこともない。今の表情だって、幼い頃から彼女を知っているはずの俺が、見たことのないもの・・・

 ・・・ああ、そうか・・・きっと、お前の目には怪盗キッド()名探偵(工藤新一)に見えてるんだな・・・

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フランドール(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます!!ただいま新生活に適応中で執筆する時間が取れず、申し訳ありません…落ち着き次第更新するので、楽しみにしていてください!! (4月14日 21時) (レス) id: 93fb40e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続きが気になります!更新楽しみにしています!!!素敵な作品を本当にありがとうございます! (4月14日 20時) (レス) id: 3989c699fa (このIDを非表示/違反報告)
フランドール(プロフ) - ジジさん» コメントありがとうございます!!最近思うような文章が書けず、モチベが下がっているので励みになります!!自分がどのように執筆していたのかを模索中なので、待っていてくださると嬉しいです!! (3月19日 7時) (レス) id: 93fb40e7a7 (このIDを非表示/違反報告)
ジジ - 素敵な作品をありがとうございます!更新楽しみにしてます!応援してます✨ (3月18日 18時) (レス) id: f632db4eea (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - いつまでも待ってます!更新楽しみにしています!応援しています♡ (2月22日 0時) (レス) id: 8fa475efd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フランドール | 作成日時:2020年5月3日 15時

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