秘密の片思い…のはずだった

24話 ページ24

A「･･･怪盗･･･キッド･･･?」

　次の日の朝、園子ちゃんの口から出た聞き覚えのない言葉に首をかしげていると、園子ちゃんと蘭ちゃんは驚いたように目を見開く。

園子「ちょ、ちょっとAちゃん･･････」

蘭「もしかして、怪盗キッドを知らないの?」

　どうやら怪盗キッドさんは相当な有名人らしい。蘭ちゃんの言葉に頷くと、信じられない、と言ったような目で見られる。

園子「いい、A!!!キッド様はね!!!」

　相当熱が入っているらしい園子ちゃんは、初めて私のことを呼び捨てで呼ぶ。当の本人も気づいていないようだが、いきなりでかなりびっくりした。

園子「･･･それで、とーってもかっこいいんだからぁ!!!」

　｢宝石と一緒に私のことも盗んでぇぇ!!｣と目をハートにしながら叫ぶ園子ちゃん、どうやら怪盗キッドさんの大ファンらしい。

蘭｢コナン君もキッドキラーって呼ばれてるんだけど･･･知らない?｣

　蘭ちゃんの言葉に首を振る。記憶力はかなりいい方だと自負しているし、知り合いがでていたらなおさら忘れるはずもない。おそらく家ではほとんど読書しかしていないのが仇となり、見たことも聞いたこともないのだと思う。

園子｢それじゃあ今日は目に穴が開くほど見ることね!!きっとAちゃんもキッド様の良さがわかるわ!!｣

　ビシィッ!!!と指をさして得意げに笑うそこのちゃんを見て苦笑いしたあと。スマホで『怪盗キッド』と検索する。どうやらもう何年も前から活動している怪盗で、8年前に一度失踪し、最近復活を遂げたのだとか･･･

A「･･････あれ･･････?」

　記事によれば怪盗キッドは変装の達人らしいから、これも変装の一部だと言われてしまえばし納得せざるをえない。･･･だが･･･

　8年前までの写真と最近の写真の怪盗キッドがどうしても同一人物には見えなかった。･･･そして、最近の写真のキッドは、なんとなく･･････

A｢･･････快斗、君･･･?｣

　彼に、似ている気がした。

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