秘密の片思い…のはずだった

15話　コナンside ページ15

A「･･･へっ･･･!!!？？？」

　そんなに驚くことか？と、いつもより数オクターブ高く聞こえた櫻羽の声に苦笑いする。まあ、ずっと音信不通だったクラスメートから急に名前で呼んでほしい、なんて言われたら驚くのも無理はないか･･･

コナン「･･･いやならいいんだ、急に変なこと言って悪かっ「そんなことない!!」･･･え？」

A「私も･･･ずっと･･･し、新一君って呼びたかった!!」

　元々熱かった顔が、倍以上に熱を持った気がした。小っ恥ずかしいのに、嬉しくて･･･緩んでしまう口角を抑えるのに必死だった。(多分抑えられてない)

コナン「ありがとな、櫻羽」

A「･････････････････････」

　急に何も言わなくなった櫻羽に、違和感を覚える。俺、なんか変なこと言ったか？さっきの発言に何かおかしなところがあったか考えるが、ただ礼を言っただけ･･･待てよ、もしかして･･･

コナン「･･･A･････････」

　ひゅっ･･･と、息をのむ音が聞こえた。俺を見ていた服部も、目を見開いてこちらを凝視している。やっぱ違うか･･･調子に乗って名前で呼ぶんじゃなかった･･･

コナン「あ、いや･･･わりぃ、忘れ「やだ!!!」･･･え？」

　人の発言を滅多に遮ることのないこいつだが、今日はやけに俺にかぶせてくる。・・いや、別にいやなわけじゃないが･･･

A「これからは、Aでいいから･･･新一君」

　んへへっ･･･と、心底嬉しそうに笑う櫻羽･･･いや、Aに名前を呼ばれただけで上がる心拍数は、どうにかならないのだろうか･･･電話越しにAに聞こえてしまうのではないかと不安になる。

平次「おい工藤、そろそろ･･･」

　不機嫌そうな服部の声を聞いて時計を見ると、草木も眠る丑三つ時だった。確かに、そろそろ寝ねえとやべえな･･･

コナン「わり、かなり遅くなっちまったな･･･おやすみ、A」

A「あ、ほんとだ!!おやすみなさい、新一君･･････いい夢を」

　Aが優しい声音でそう呟いた瞬間、ブツリと電話が切れた。

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