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You side
駅に近づいてくるため、外灯が増える。
それに気づかないフリをしながら繋ぐ手をより一層強める。
『……母がカイさんのことすごく好青年って言ってましたよ』
カイ 「ほんと？印象いいならよかった」
会話を続けようと話かけるも、どんな会話もすぐ終わってしまう。
沈黙のまま駅まで来てしまった。
カイ 「……送ってくれてありがとね」
『いえ…』
どうしよう、カイさんが帰っちゃう。
離れたくない。
『やだ…』
カイ 「ん？」
『帰っちゃ、やだ…』
カイさん困ってるじゃん。
私のバカ。
でも、撤回しようと思っても、言葉が出ない。
カイ 「A」
名前を呼ばれ顔を上げると、唇が重なった。
『っここ駅ですよ…』
と言いつつも喜んでる自分がいる。
カイ 「明日は朝から仕事だから今日は無理だけど」
カイ 「明後日休みだから、明日の夜泊まりにおいで」
『………いいんですか…？』
カイ 「うん、待ってる」
『………楽しみにして、ます…』
そう言うと、優しく頭をぽんと撫でてくれた。
��じゃーね��と手をひらひらと振って去って行ったカイさんの後ろ姿を、
さっきまで繋いでいた手を逆の手で包み込むように握って
温もりを感じながら姿が見えなくなるまで見つめていた。
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作者名：たれめ | 作成日時：2020年5月31日 22時
