派手と恋 part3 (ページ30)

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You side

『太陽バレンタインもらった？』

太陽「芹沢さんと……早川さんにはもらった」

『そんだけ？』

太陽「ほっといてや笑」

『じゃあ私が10人分くらいのあげる』

太陽のためだけのラッピング、太陽のためだけのトリュフ。

『私の気持ち全部詰め込んだから』

『私のことだけを考えて、私のことだけを想像しながら食べて』

『じゃあね』

さすがにちょっと恥ずかしくなって、私はその場を去った。

太陽「あっ、Aさん」

『なに？』

太陽「ありがとう」

わざわざ呼ぶからちょっと期待したやん…

でも本人は全く自覚なし。

憎いけど憎めない。

『私は思ってるより太陽のこと、好きやから』

『それだけは分かってほしい』

少しでも私のことを考えてる時間が増えるように、

華菜より私のことが頭から離れなくなるように、

辛くても泣いてるだけじゃ何も変わらんから。

.

家に帰ると、華菜が私の家の前に立っていた。

『華菜…？』

華菜「っ…」

私の声を聞いて振り向いた瞬間、

今にも泣きそうな顔をしていた華菜の目から涙が溢れた。

『どした？』

華菜「A…」

涙が止まらない華菜を私の部屋に入れる。

私が出したお茶を飲んで少し落ち着いた様子の華菜は、

悲しい顔で俯いたまま話し出した。

華菜「………拓弥にちゃんと言ったの、好きって」

.