4話 ページ4
小四のあの時、私が御影玲王という男に心を奪われたあの日から私は玲王の隣に相応しい様な女になるように努力を重ねた。
勉強をした。
御曹司という立場の玲王の隣に相応しいように、いつか自分を選んでもらう時が来るかもしれないと夢を見て。
読書をした。
小学生にして自分の本棚は哲学書やビジネス書でいっぱいになった。いつもビジネス書を読んでいる玲王の隣に居ておかしくないように。
容姿を整えた。
ヘアアレンジや最近の流行りについて学んで、実践した。平凡な女が玲王の隣に居る私に嫉妬すら出来ないように、差をつけて突き放すように。
そんなことをしているうちに時間は過ぎ、気が付くと私達は小学校を卒業、そして中学校へと入学していた。
中学に行っても私達の生活はそう変わりなかった。
強いて言うなら玲王のモテ具合は群を抜いて加速していたぐらいであろうか。
身長も伸び始め、私とじわじわと差を付け伸びていく玲王はスタイルよし、容姿よし、家柄よし、頭よしのモテ要素を詰め込んだ乙女ゲームの攻略対象のようなスペックとなっていた。
そしてそんな男の隣にいる幼馴染の女が私。
艶のある手入れのされた髪の毛を靡かせ、スタイル抜群のすれ違う皆が惚れるかのような天然美人。頭も良い人気者。そんな高スペックな漫画とかドラマでよく言う高嶺の花になっていたのであった。
もちろん、陰口や噂は中学に行くと増えていった。
妬みや嫉妬などの私への悪口。しかし、私はもうそんなものに興味はなかった。玲王に相応しい女になるために努力してきた自分を誇りに思っていた自分がいたからだ。
スペックを並べるだけでも圧巻の私と玲王だが、本物は文字で羅列できる範囲を超えるほどの完璧人間であり、私達はすぐにお似合いの高嶺の花、として中学校に名を轟かせた。
そして中学2年生の秋であった。
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作者名:トクニベツニナニモナイヨ | 作成日時:2022年11月15日 20時