Good Old Days 006 ページ19
マジバとーちゃーく、と元気良く高らかに宣言する高尾君。
私はここで何をするのか、全く分からなかった。
「高尾君、もう着いたから教えてよ」
さっきから教えてと頼んでいるのに、高尾君はずっと焦らす。今度は、やっと話してくれる気になったらしい。
目をいたずらっぽく輝かせながら、彼は口を開いた。
「へーへー。では、教えてしんぜよう。7月7日は……」
身を前に乗り出す。何、何? はやく答を聞かせて欲しい。
高尾君が、口を「い」の形にしたその時、
ぐぅぅうぅう
2人の間に大きなお腹の虫の音が鳴った。
虫の飼い主はどうやら、顔を赤くしている高尾君。
「……あの、申し訳ないけど、部活帰りで腹減ってるんで」
「良いよ。はやく買ってね。私席取っとくから」
ありがと、と言ってレジの方へすっ飛んで行く後ろ姿を見てから、私は空いているテープルを探した。
自分の半径2m程度をぐるりと見る。……うん、どこも満席。
店内を少し歩いてみる。……うん、どこも満席。成果は得られず。
見たこともないくらい山積みになっているチーズバーガーを見られたことが成果だとポジティブに捉えてみるもやはり、無駄足使ったなーという感想くらいしかない。
カウンターなら確か2つ座れる席があったはず、と思い出し、足をそちらへと向けた時、私を呼び止める声が聞こえた。
「……おぉ、お前……秀徳のマネージャーの、……えっと」
「日田Aさんです。あと、口に食べ物入れたまま喋らないで下さいバカガミ君。ご無沙汰してますAさん、もしかして席なくて困ってます?」
「バカガミ言うな!!」
当然の権利として怒る火神君などアウトオブ眼中な黒子君が軽く会釈したので、私も慌ててペコリっとお辞儀をした。
「うん、高尾君と来たんだけど私達みたいに部活帰りの学生が多いみたいで。一通り店内見たんだけどやっぱ空席なかったんだよね」
そう答えると、黒子君から相席の提案をしてくれた。
そのご提案は、こちらからしてみても願ったり叶ったりだったので、お言葉に甘えて私は火神君の隣に腰を下ろした。
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ふなふね - 猫さん» コメント感謝です! 思い入れ結構あるので歓喜しております。 (2022年4月24日 17時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 私もっと高尾君が好きになりました。 私この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年4月17日 16時) (レス) @page47 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すみません!友達になろうのコメントいとこがわざと書いたんです!なのできにしないでください!・・・でもこれからもわたしのさくひんよんでくださるとこうえいです! (2022年4月17日 9時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね - 猫さん» ありがとうございます! とっっっっっっっても励みになります。ぜひコメントさせていただきますね。 (2022年4月16日 14時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
猫 - とても面白いです!・・・どうしたらここまで面白くなるの!?・・・・アドバイスがほしいのでできたらでいいのですが、私の作品「ダシャレが私たちの運命を」のコメントコーナで教えてください!(ちなみに多分、占いツクール 黒子のバスケででで来ると思います!) (2022年4月16日 13時) (レス) @page10 id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2021年9月29日 19時