【オリジナルBL】ふたりのよる (ページ5)

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恥じらうAの姿態をしばらく楽しそうに眺めてから、鈴は自らの服も脱ぎ捨てた。彼はAのは丁重にするが、自分が脱ぐ時は割に適当な男だった。
一糸纏わぬ姿になった鈴に、Aは優しく押し倒された。
首に二、三度口づけが落とされた。それから舌先で確かめるように舐められ、やわらかく噛みつかれた。
痛い、と思わず声が漏れたAだったが──言うほど別に痛くもないし、むしろ喜んでいた。
Aの頬、首、喉、胸、腹。何度も鈴の唇で、舌で愛撫された。それはまるで全身の汗を拭いとっているようで、あまりの気持ち良さにAは意識も理性もとろとろに蕩けてしまいそうだった。
鈴もAも、精神的にも肉体的にも、激しいことや傷つけ傷つけられることを好まなかった。
いつでも波風を立たせず、出来るだけ全てのことを穏便に終わらせる。珍しく喧嘩をしたとしても、互いに大して荒立たせることはせず、ゆっくりと解決するまで話し合いを続ける。それがAと鈴だった。
夜の営みに関しても同様で、Aは穏やかで静かな交わりを好み、鈴もAを優しく扱うのが好きだった。鈴が優しく何度も何度も時間をかけてAを慈しむ丁寧さは、むしろ加虐的ですらあった。しかしAはそこにひどく興奮する性質を持っていた。鈴の攻めるのが好きな部分は、Aが攻められて嬉しい部分なのだ。
つまり端的に言えば、二人は相性が良かった。
鈴が乳首に吸い付いてきた。そのまま唾液を含んだ舌で、ゆっくりとそこを刺激してくる。
「あっ、ん」
Aは思わず喘いだ。鈴は、Aの敏感な部分はすべて知悉しているようだった。そのせいもあって、長い営みを何度も重ねるうちに、Aの桃色の突起は少し腫れ上がっていた。
鈴はそこに、ふぅと小さく息を吹きかけたり、器用に舌を使って先端だけに微弱な愛撫を加えたりしてきた。
――…ああ、やっぱりだめだ、これ。すごく、腰に来る。
男には必要のない部位を執拗に攻められることに、Aは背徳感のようなものを覚えた。そしてそれは更に、Aの興奮を煽る材料となった。
鈴はさらに反対側も口で攻めにかかってくる。その舌がAを欲張りに求め、動くのを感じる。それと同時にAは、すでに反応しつつある局部を鈴に手で扱かれ、そのあまりの快感に目眩がした。

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