1話 乱舞 ページ2
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「こちら左文字隊、目標の本丸前に現着しました。どうぞ〜」
気の抜ける声が響いた。
この声の主である男を合わせ、この場には四人...いや、一人と三振りと言った方が良いのかもしれない。
その四人の唯一の共通点は腰に滞納してある刀のみであった。
「戦いは...嫌いです」
「全く...天下人であるこの僕をこんなところに連れてくるなんて...」
「...復讐?」
「お前らな...もうちょっとやる気出せよ〜」
三振りの呟きに、気だるそうにため息を吐いた男。
こう言っては悪いのだが、上下に着込んだジャージも相まってか、彼が一番やる気の無いように見える。
三振りのうちの一人が、みるみる顔をしかめた。
お前にだけは言われたく無い...と。
「...しかし、ここが本当に黒なのですか?」
「知らんがな。
上の偉いさんがそう言ってんだから、そうなんだろうよ」
「貴方ね...」
欠伸をしながらそう答える男を、先ほど顔をしかめた一人が目を細めてジト目で睨む。
そんな視線を男はさほど気にしていないのか、今度はぐるりと肩を回している。
戦いを嫌う男が、ヤレヤレといったように肩を竦めた。
「ったく、めんどくせ〜な〜!
とっとと終わらせて、帰って寝るぞ!!」
「書類を片付けてからにしてくださいね?」
「え?何だって?聞こえないな〜」
「...老化?」
「小夜ひどい...」
グスンと涙ぐむ男に、この中で一番小さい男がその背中を擦る。
因みに男は泣いてなど無い。
「よ〜し、突入するか〜!」
___お待ちください!
「うお!?」
中に入ろうと門に手を掛けた男...が、突如耳に響いた電子音に動きを止めた。
後ろに控えている三振りが、不思議そうに首を傾げる。
「み、耳が...」
___大丈夫でございますか!?
「...なんだよ、こんのすけ」
耳を塞ぎながら、その声の主である管狐...こんのすけに問いかけた。
男の耳には通信機が取り付けてあり、何故か音量がMAXになっていたのだ。
男はすぐさま通信機の音量を通常に戻す。
___はい!実はお知らせしたいことが...
「勿体つけずに、さっさと教えろ〜」
何故か口ごもるこんのすけ。
男は眉をひそめてその先を急かした。
___その本丸には、既に貞宗隊の方が...
「...は?」
___いや、だから...
「...またあのバカ宗隊か!?」
男の叫び声に、本丸の屋根に留まっていたカラスが羽ばたいて行った。
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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(* ̄ii ̄)ハナジブォォォ← (2017年11月28日 14時) (レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか?初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)
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