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16話 天使達 ページ17

お盆の上に乗せてあった柿や茶菓子が、瞬く間に無くなっていく。

育ち盛りの男子高校生宜しくどんどん口に詰めていくダルニート達男性陣に、オカマックスがため息を吐いた。



「あんた達ねぇ...沢山あるんだから、ちょっとは落ち着きなさいよ」


「全く、雅じゃないね...」


「ふがふが、」


「口に物を詰めて喋らない!」



ぎゃーぎゃーと騒ぐ男達を余所に、私は太鼓鐘と小夜の天使コンビの方へと視線を向ける。

はぐはぐと柿を食べている二人はやっぱり天使だと思いました。



「...ショタコン」


「ちょっと、うちの小夜をそんな目で見ないで下さいよ」


『刀抜けぶった斬ってやる』



笑顔で天使達を眺めていると、斜め前から此方を見ていた物吉がボソッと呟くのが聞こえた。

宗三も、まるで汚物でも見るような目をして顔を歪めている。

私は先ほど納めた自身の獲物に手を掛けた。


別にショタコンじゃねぇよ?

短刀が好きなだけで。


物吉と宗三の二人と火花を散らしていると、突然訓練室の出入口が開く音が聞こえてきた。

反射的にそちらを見てみれば、そこには赤い髪の天使が目を輝かせて此方に歩いてきているのが見える。



「お?何か旨そうな匂いがすると思ったら、あんたらだったのか!」


『愛染!』


「あら、国俊ちゃんじゃないの!」



私は天使を抱き締めるため、急いで立ち上がって迎えに行く。

オカマックスも彼に気付いたようで、真新しいカップにお茶を淹れていた。



「どうも皆さんお揃いで。

休憩する暇があるなら仕事してください」


『ゲッ、メガネボーイ...』



愛染を抱き締める私を見下ろしてきたのは、彼の所属している部隊...来派隊隊長のメガネボーイであった。

今日も今日とて、指先で自身の眼鏡をクイッと押し上げている。


因みに彼は定時帰宅の鬼であり、残業嫌いの社畜でもあった。



「竜堂、俺もギューってして」


『勿の論、さぁ来い』


「ほんなら自分も頼んます」


『短刀、脇差(例外アリ)、蛍以外は叩っ斬る』



愛染を見て羨ましく思ったのか、メガネボーイの後ろで控えていた蛍丸がてててと駆けてくる。

私は左側を開けて彼を抱き締めた。

保護者の明石も同じように駆けてきたが、ギロッと睨み付けて突っぱねてやった。


お前はお呼びじゃねぇんだよ。



「明石ちゃん、なんなら私が代わりに...」


「あ、いいですわ」



私に断られて肩を落としていた明石に、オカマックスが腕を開く。


明石は即答していた。

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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(* ̄ii ̄)ハナジブォォォ← (2017年11月28日 14時) (レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか?初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏仁豆腐 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月5日 11時

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