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12話 対峙 ページ13

「な、何だお前ら!?」



蹴り破られた襖を跨ぎ、少々血生臭い広間へ堂々と侵入した。

中には、先ほど外で見なかった短刀の子達がぐったりと脱力して畳の上に寝転がされている。

私は、最奥部でガタガタと震えている男を睨み付けた。



『...どうも、政府の役人です。

てめぇの脳天叩き割りに来てやったから感謝して、とっとと地面に這いつくばりやがれクソ野郎』


「ご、ご主人様!

今の台詞をもう一度、どうかこの僕に...!」


『頼むから黙ってろ』



切っ先を真っ直ぐ男に向け、そう言い放つ。

斜め後ろでビクンッと震え悶える変態...亀甲を足蹴にしてから視線を戻した。



『...っ!?』


「主様!」



高速で此方に向かってきているナニかを、持ち前の反射神経でぎりぎり交わす。

尻餅を着いた私の頬を、己の血液が静かに伝っていった。



「てめぇ...!」


『待て太鼓鐘!』



逆上し、抜刀して男に向かっていく太鼓鐘を静止させる。

両隣で殺気を露にしていた物吉と亀甲にも留まるように言った。


男の手には今先ほど使用され、口から白い煙を吹かせている一丁の銃が握られていたからだ。

そして私は、その銃を見たことがある。



『...その銃、何処で手に入れた?』


「は、ははは!

あのオカマ、使えるやつ持ってやがる!!」



オカマ...オカマックスのことだろう。

その証拠として男の持っている拳銃は、寸分違わずあの人のものであった。

男は狂ったように笑い出し、再び此方に銃口を向けて引き金を引いた。


絶え間なく乱射してくる。



「...っの、野郎!!」


『太鼓鐘!今は引け!』



銃弾を交わしながら男に突進していく太鼓鐘の襟首を掴み、素早く部屋の外へと避難した。

物吉達もそれに倣い、真逆の壁に張り付いて男の動きを伺っている。



「主様、このままでは...」


『分かってる...クソッ』



拳銃が乱射している限り、此方は手を出すことが出来ない。

弾切れを待つもあの拳銃には術が掛けられており、ほぼ無限と言っていいほどの弾数を発砲できるのだ。



「ははは!隙を見て山姥切を逃がしたつもりだろうが、それを逆に利用してやった!

“お前らを此処に連れてくる”...そういう言霊を掛けたんだよ!アイツにはなぁ!!」


『てめぇ...!』



右手に握った獲物に力が籠る。

出て行こうと暴れる太鼓鐘を押さえてはいるが、いい加減此方が出て行きそうであった...が。



「...どういうことかしら?」



聞き慣れた声が聞こえた。

13話 オカマの本気→←11話 体術バカ



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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(* ̄ii ̄)ハナジブォォォ← (2017年11月28日 14時) (レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか?初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杏仁豆腐 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月5日 11時

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