14話 部外者じゃない ページ16
「わぁ〜！美味しいです！！」
「茶に合う良い甘さ加減...薬研、また料理の腕を上げたな」
「そうか？
ま、毎日作ってりゃあそうなるのも当然だな」
『薬研たん以外、料理の腕は壊滅的ッスからね...』
薬研特製の茶菓子を頬張り、その絶品さに目を細める秋田。
茶を啜り、腕が上がったと薬研を褒め称える鶯丸。
二振りに褒められ、満更でもないというように胸を張る薬研に、過去作った料理の悲惨さに遠くを見やるA。
只今絶賛、お茶会を執り行っている最中であった。
しかし、鶯丸の淹れた茶を飲みながらただ一振り、鶴丸は頭に浮かんだ疑問に小首を傾げる。
...何故昨日来たばかりの自分はともかく、先ほど顕現した秋田までもが、こうも簡単に家族団欒の輪に入っているのか。
「...なぁ、何故君たちは簡単に俺たちを引き込むんだ？
君たちにとって、俺たちはただの部外者だろうに」
「秋田は部外者じゃない。
俺っちの兄弟だ」
『つるたんも部外者じゃないッスよ？
さっき、自分で言ってたじゃない...って、ちょっとうぐたん待って。
その茶菓子俺の食べ掛け！！』
「...まぁ、細かいことは気にするな」
鶴丸の真剣な問い掛けも虚しく、Aは自身の食べていた茶菓子を鶯丸に食べられたことで泣きべそを掻いてしまった。
本当に昨日...いや、先ほどの男と同一人物なのであろうか。
再び頭を悩ませることになった鶴丸は、一口サイズに切り分けた茶菓子を口に放り込んだ。
『...で、秋田はどうして泣いていたんスか？
ちゃんと説明して欲しいッス』
皆が落ち着いたのを確認したAは、鍛刀部屋で起こった出来事についてを隣に座る薬研に問い詰める。
薬研は自身の左隣に座っている秋田の頬が強張るのを視界の隅に捉えながら、主の問いに答えるべく口を開いた。
鶯丸は湯飲みを持ったまま、鶴丸は手に持った湯飲みをちゃぶ台に置いてから、彼の話を聞く体勢を整える。
その場に居る皆の視線が、薬研の元に集まった。
「...見ての通り、秋田はホワイト産だ。
泣いていたのは、元居た本丸の大将を守れず、戦で折れてしまったから...」
「薬研兄さん、後は僕が話します」
つらつらと語る薬研の言葉を、秋田は自分の言葉で遮った。
唇を噛み締め、再び込み上げてくる涙に堪えながら俯く彼に、ちょうど向かい側に座っていた鶯丸が新たに淹れ直した茶をソッと差し出した。
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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