20話 一難去って ページ22
本霊還しを終え、縁側に突っ伏すAは何処と無く気だるそうで。
そのすぐ隣で正座をしている鶯丸は、そんな主の様子を楽しそうに観察していた。
因みに薬研はと言うと、先ほどの宣言通り部屋に布団を敷きに行っている為、この場には居ない。
『はぁ...ったく、顕現したのがホワイト産だったから良かったものを。
悪戯は程ほどにしなきゃダメッスよ？』
「悪い悪い、もうしないから...たぶん」
『うわ〜、絶対またやる...』
Aは自身の頬をツンツンとつついてきている元凶...鶴丸に、怨みがましい視線を向ける。
その言葉に鶴丸はつつくのを止め、大きく胸を反らして堂々と言い放った。
これは何を言っても無駄だな...そう考えたAはこれ以上の追求を取り止め、再び床板へと顔を突っ伏した。
「...ん？ちょっと待てよ？」
「どうしたんだ？」
ケタケタと笑い声を漏らす鶴丸が、突如何かを思い出したかのように肩を揺らすのを止めた。
その真剣な表情に、力尽きているAの代わりに鶯丸が問い掛けてやる。
鶯丸による純粋な疑問に、鶴丸はどんどん顔色を悪くしていった。
「...もう一本」
「は？」
まさに顔面蒼白といった鶴丸の言葉に鶯丸も、何やら大変なことが起こるのでは...そんな思いが脳裏を横切る。
訝しげに眉を潜め、青白い彼による次の言葉を促した。
「...君たちを驚かせようと、鍛治職人に渡した資材＿＿＿
＿＿＿二振り分だった」
『...は？』
その言葉に鶯丸はおろか、ぴくりともしなかったAでさえ上半身を起こした。
顔を上げたAは、鶴丸と同じ顔面蒼白である。
正装のままの彼は頬を引き釣らせながら、絶対に聞きたくない...しかし、聞かねばならないことを問い掛けた。
...少しだけ、耳を塞ぎながら。
『...その、鍛刀時間は？』
「あ、ああ。
確か＿＿＿」
「...っ！？A、伏せろ！！」
そう言うや否や、上半身を起こしていたAの頭を咄嗟に下げる鶯丸。
いち早く、その“気配”に反応した鶴丸も、同じように頭を下げた。
つい先ほど、三人分の頭があったところを、一振りの刃が斬り裂いていった。
『...っ！？一体、何なんスか！？』
「Aは退いて、自分の周りに結界を張れ。
鶴丸は俺と一緒に白刃戦だ...これは、まずい」
＿＿＿五時間
黒い靄を漂わせるその大きな身体に、鶯丸もAも唇を噛んだ。
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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