愛してほしかった

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もう今日は迷わないで、ちゃんと病室まで行けた。



コンコン、ってノックして、どうぞ、の声を聞いてから中に入る。



「また来たんだ。」



「うん。」



昨日は無かったカメラが、オーバーテーブルの上に置いてあった。



大きなカメラで、高そうだなぁなんて見ていたら、Aさんが言う。




「カメラ。最近ハマり始めたの。」




よくよく見れば、写真についての本も置いてある。




「楽しそうだね。」




「ジュニの事、撮ってあげる。」




カメラを手に取って、カチャカチャっと少し動かしてから構えた。




「え、俺？」




「うん。ほら、そこに立って。」




指で示されたのは、窓際に飾られていた花の近く。




適当に手を後ろで組んで立つ。



「いくよー。」



Aの中でカメラ越しに、俺はどうやって写ってる？



「1+2はー？」




「2〜。」




あ、間違えた。




その時に切られたシャッター。

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