愛してほしかった (ページ23)

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23. ページ23

俺を目にしたAちゃんが、少しだけ微笑む。

「また来たんだね。」

それだけ言って。

「うん。」

その後、さっき帰って行った人の話なのか、タイミングが良かったなんて言うから、気になって聞いた。

「…あの子、誰？」

「えーと、近所の子。昔よく遊んでたの。あんなに大人びちゃって、びっくりだよ。」

「よく来るの？」

「うーんと…私が入院してから2回くらい？」

なんでこんなに詮索してるのか。

Aちゃん困った顔してるのに。

でも気になっちゃうよ。

『好きになった子』の他人との縁なんだもん。

「チェハンソルっていうんだけど、私はぼのにって呼んでるの。」

「仲良いんだね。」

「そう思う？」

「うん。」

勘違いしないでね、深い意味は無いよ。

ただ、ニックネームだから。

Aちゃんが窓の近くを指差す。

「この花はぼのにが買ってきてくれたんだよ。お小遣い貯めたんだって。」

「うん。」

「今度もお花を買ってきてくれるって。楽しみなの。」

「…うん。」

相槌って気がついて、Aちゃん。