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扉から、またコンコンって音がする。
途端に、スアちゃんの顔も険しくなった。
開いた扉の先にいたのは、多分スアちゃんのお母さん。
息を切らしてる。スアちゃんの事、探してたのかも。
「Aちゃん、スアがごめんね。」
「いえ。大丈夫です。」
さっきまであんなに元気だったスアちゃんが、一気に不機嫌な顔になる。
「スア。何してるの。早くこっちに来なさい。」
お母さんは車椅子を持ってきて、スアちゃんは大人しくそこに座る。
今度は俺とAちゃんを交互に見た後に、本当にごめんなさいね、ってそれだけ言って病室から出て行った。
「……スアちゃん、辛そうだったよ。」
「本当は身体が弱いの。」
俺の言葉に、それだけ返した。
「Aちゃんは?足…大丈夫?」
最初に来た時に言ってた『歩けないかもしれない』って言葉がずっと引っかかってた。
「私は足が変な方向に曲がっちゃっただけだからね。」
病気と、怪我。
Aちゃんが、まだ自分はマシだって言うから、どうやって言っていいかまた分からなくなる。
言った言葉全部が不謹慎に思えちゃうし、不謹慎だって思っちゃう事がよくないんじゃないかなとも思う。
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作者名:エギのなめこ | 作成日時:2020年6月10日 23時