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また、いつもの扉の前でコンコンってノックする。
そしたらどうぞ、って声が聞こえる。
「あ、ジュニ。久しぶり。」
なんか、この言葉に親近感湧くの…俺だけ?
「Aちゃんっ。こんにちは。」
「おっ?AさんがAちゃんになってる。」
親近感…。
そうやって呟く彼女に嬉しくなってる。
同じ事考えてたんだもん。
でも、それでもやっぱり俺たちはこうやって手紙を届ける、受け取るだけの関係だから話題がなくなっちゃうんだよね。
そうしたらAちゃんはいつ帰るの?って言って俺が帰りやすい様に誘うんだ。
でもね、Aちゃん、今日は別の事言ってくれた。
「…ウォヌは元気?」
「うん。元気だよ。」
なんだ。
別れたって、やっぱりお互いがお互いの事心配してるじゃんか。
ウォヌは、Aちゃんが俺を好きじゃなくなったって言ってたよね。
「Aちゃんは、なんでウォヌと別れちゃったの?」
「んー…。好きじゃなくなったから。」
「好きじゃなくなったら、片方が好きだとしても別れちゃうものなの?」
「じゃあジュニは、嫌いでも付き合うの?」
「Aちゃんは、ウォヌが嫌いだった?」
「ううん。ウォヌの事、好きだったよ。でも、私ウォヌ以上に、好きになった人がいるの。」
付き合ってても、他の人の事を想っちゃうの?
「だから振った。もし私が今の好きな人と結ばれなくたって、ウォヌと付き合っていこうとは思わない。」
ジュニは違うの?そう言われている気がして、目を合わせられなかった。
俺とAちゃんは性格が違ってるからか、疑問形の会話にしかならないみたい。
しつこすぎたかなって思ったけど、気になったから。
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作者名:エギのなめこ | 作成日時:2020年6月10日 23時