あなたが主夫 3

123.【MG side】 ページ23

大学で偶然、廊下を歩くAを見つけた。



こっちの事なんて、気にもしてくれなかったけど。嬉しいような、寂しいような。



結局は仕方ないよって自分を励ますんだ。



会えただけでも幸運だって。



目で追った先に、ハユンがいた。



「ねえ！ミンギュ！あのね、Aちゃんって彼氏がいるんだって！」



幸せだとか、癒しって言葉が、突然俺の中で崩れだした。



何を思って良いのか分からなかった。信じられない。



「…Aに彼氏？」



何かの冗談？そんなのつまんない。


俺の完全な現実逃避。



「うんっ。デートについて来てって言われちゃったの。ミンギュも来てよ。」



彼氏が誰かを確認したくて、いいよ、って言っちゃった。



ハユンに聞いても言ってくれなかったし。



大学が終わり、俺達だけで集まってからA達のところに行く。



なんか、嫌だな。



展開が早すぎてついていけない。



Aには彼氏ができて、その2人のデートがあって、それについていく俺らって何？



Aの彼氏を知りたいけど、こんな感じで知りたくなかったかも。



なのに、なんでここにいるんだか。それすらも分からない。



…邪魔したいだけなんじゃないか、って思う。



だって彼氏の事なんて、Aと住んでるんだから、いつでも聞けるんだし…。



「ミンギュ。」



急に呼ばれて手を繋がれる。



「私、まだミンギュの事好き。」




1年前にもこうやって告白された記憶がある。



同居に慣れるのと、Aでいっぱいだったからなのか、今まで忘れていたけど。



……Aがいなかったら、俺はこの子を選んでたのかな。



「ありがと。」




そう言って手を払う俺って、酷いのかな。

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