2BROには末者がいるんだよ

飼い主 ページ40

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兄「あ、お前いじめられてないか？」


弟「は？俺の後輩いじめてる奴まだいんの？」


兄「まだ聞いてる途中だろ、で？どうよ」



頭を撫で、安心させるように微笑んだ

恨みは腐るほどかっている

わざと後輩を狙う輩は多い

弟者がすでに噛み付きに行こうとするが

大事な後輩を怯えさせないため抑える



『いえ、いじめ程ではありませんが…聞きたいですか？』


お「先輩には頼るもんだよ」



うんうんと強く頷きながら賛同する

うちの後輩に手を出す奴は殺す

満場一致でそのつもりだった



『もうカバンや体操服を荒らされることは無くなったのですが、最近は肉体関係を求められます』


「「………」」


お「よーし良く言えたね！偉いぞー！ついでにその人のこと覚えてる？」



殺すと顔で語っている兄弟の表情を見えないように髪をぐしゃぐしゃにする

売られている喧嘩を万引きするかのように

狂犬は獲物を発見した



兄「今日の予定は決まったな」


『先輩、怪我したらダメですよ』


弟「大丈夫だよ！俺たち強いし、合唱コンクール見に行けなくなるの嫌だもん」


お「そーだね、後輩の晴れ舞台を汚すわけにはいかないからね」


『やんちゃなんですから…とにかく、腹が減っては戦はできませんよね』


「「「まさか！！！」」」



三人は同時に目を輝かせた

熱い視線を送られている人物はニヤリと頬を持ち上げて

言い放つ



『そのまさか、お弁当タイムです』


弟「やったー！！」


兄「重くなかったか？」


お「ごめんねー、四人分は流石に多かったでしょ？」


『先輩たちは毎回美味しいって喜んでくれるので、頑張りたくなるんです』


お「本当に君は良い後輩だわぁ」



心だけでなくガッチリ胃袋まで掴まれていた

この後輩と一緒にいられるなら留年も悪くないかも

そんな馬鹿なことを考えたりもした



『私のために、色々とありがとうございます』


弟「気にしなくていいよ！俺たちが好きで一緒にいるんだから」


兄「そーそー、初めてだよ、俺らがこんなに誰かに執着したのわ」


お「それだけ君は魅力的なんだろうね」



他の生徒が見れば夢だと疑うことだろう

狂気で脅威で最恐で最強な彼らが

花が咲くようにと表現できるほど

優しく微笑んでいるのだから



『ありがとうございます』



出会った時から変わらない対応

それが好きだった



『初めまして先輩がた、私は貴方たちの後輩になります』



手懐けたのではない

誑し込んだのだ


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