足りない世界 ページ14
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弟「んー…」
最近、違和感がある
何かが足りないような
なんだろう
弟「ねぇ、どう思う?」
隣に話しかける
あれ、誰もいない
俺は今誰に向かって話しかけた?
いつもはそばにいる……
弟「ッ…!」
急いで家中を走り回った
俺とお揃いのコップがない
お気に入りだった赤い靴がない
ない ない ない
弟「どうして…」
何の変哲も無い壁に手をついてそう声を漏らす
ここが部屋で…ここに扉があって…
全部ない
ここにあったはずだ
いつから忘れてた?
なんで今気づいた?
俺の___
兄「どうした?家ん中走り回って」
弟「兄者!!ここにあった部屋は?!」
兄「はぁ?そこに部屋なんてなかったろ」
弟「なかった…?いや、でも、だって…」
お「どうしたの弟者くん?何か探し物?」
弟「あ、…俺たちって、何人で2BROだっけ…?」
お「本当にどうしたの?僕たちは三人でやってるでしょ?」
___片割れはどこ?
弟「いや!でも!!_____がッ!!」
兄「あ?なんて?」
弟「だからッ!!」
あれ…俺、なんて言った…?
今、名前を呼んだよな…?
いたんだ
いるんだよ
俺の大切な人が
その名前を呼ぼうとするたびに何かが邪魔をする
意味が分からなくて泣きそうだ
俺が、泣きそうになると…すぐに、手を伸ばしてくれる人がいるんだよ
"最初からいなかった"
いや、生まれた時から一緒だったよ
"本当は違う"
いた!!絶対にいたんだ!!
俺の!!世界で!!一番大切な人!!
.
.
弟「"______"……」
『お、久しぶりに本名で呼ばれたなぁ』
弟「…あ…ぁ……」
やっと呼べた名前に返ってくる声をずっと探してた
何も知らないその声の主は柔らかく笑ってる
弟「……ゔ…」
『?!え、え?!』
ボロボロと涙が止まらない
すごく困ってるようでずっと溢れる涙を拭ってくれる
『何があったか分からないけど、そばにいるから泣かないで?』
弟「………」
『泣いてるのに離れたりしないよ』
情けなく泣く俺を一生懸命慰めてくれる
無意識に俺の欲しい言葉をくれる
弟「ん…」
『お、泣き止んだね?』
目元にキスをされた
俺には末者が必要だよ
どこかに行ったりしないで
頬を両手で挟まれて揺らされて
温かい手にまた泣きそうになる
でも、そばにいるのが分かって笑った
ヘタクソって言われちゃったけどね
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まるごと林檎。 - 小心者さん» 返信遅れてすいません!だいじょぶでしっ! (2018年8月28日 5時) (レス) id: a0a0b9abba (このIDを非表示/違反報告)
小心者(プロフ) - みぃさん» 嬉しい!ありがとう! (2018年8月27日 22時) (レス) id: 2427521ea6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 小心者さん» 初めまして!!この作品とても面白くて第1弾から見ました!猫の恩返しパロの弟者さんかっこよすぎて惚れましたありがとうございます!これからも更新頑張ってください応援してます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: f861e836fe (このIDを非表示/違反報告)
小心者(プロフ) - まるごと林檎。さん» リクエスト了解したぜ!見たいシーンとかあったり? (2018年8月26日 15時) (レス) id: 2427521ea6 (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - リトル末者〜…おねがいだからわがはいのところにおいでー…はッ、リクエストですっ!猫の恩返しパロを書いてほしいのですっ! (2018年8月26日 11時) (レス) id: a0a0b9abba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小心者 | 作成日時:2018年7月13日 21時