2BROには末者？いますとも！

暇つぶし ページ8

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「Sが足りない」


『は……？』


「Sが足りない！」


『うるさいよM』


「そこは罵るところでしょ！」



雑誌を見ている末者ちゃんの膝にもたれて遠回しに構ってという

かなり雑な頼み方だけど伝わっているだろう



「雑誌なんか見てないで僕で遊ばない？」


『その素直さは好きだけど今は気分じゃないんだよねぇ』


「焦らしプレイ…」



さすがにご褒美だと思えず落胆する

見向きもしない末者ちゃん

才能があったとしてもサディストじゃないからなぁ

頼んだらやってくれるけど



『構って欲しいの？暇をつぶしたいの？』


「このさい暇がつぶせればいいかな」


『ゲームすればいいのに』


「目が疲れちゃうの〜」


『わがままだなぁ、ちょっと待ってて』



雑誌を置き、僕の頭を軽く撫でてから席を立つ

待てと言われた為、別の部屋に消えていく末者ちゃんを黙って見送る

期待させるの上手いなぁ



『はいこれ』


「緑のマニキュア？これをどうするの？」


『足、塗ってくれない？』


「え、」


『手はゲームするし料理もするから付けないけど、足なら別にいいんだよね』



面倒くさそうに足を投げ出して僕の顔の前で揺らす末者ちゃん

下から見上げると女王様感が半端ない



『いい暇つぶしでしょ？ほら、おついちさん色に染めなよ』


「んん"ッ…！……ありがとうございます…！」


『はみ出さないように丁寧にやってね』



また雑誌を手に取った

とことんこっち見ないな

それでも構ってくれるんだから優しいよね



「上手に出来たら褒めてくれる？」


『上手に出来たらね』


「頑張る！」



跪いて足の甲にキスをするように体を屈める

これはこれで悪い気はしない

赤色が好きなくせに僕たち三人の色をだいたい揃えてる

最初からそのつもりなのかな



『なんか言いたげな顔してるね、聞いてあげるよ』


「…僕たち愛されてるなって」


『知ってるくせに』



まぁ、思いっきり伝えてくるから

言葉でも行動でも

こっちが照れるくらい

暇つぶしに興じて良いこと聞いちゃった

僕らは愛されてる


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