月が綺麗ですね(1)【石橋遼大】 (ページ10)

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あれからしばらくの日数が経った。

Aさんとは、ちょくちょく連絡を取っていて、

お互いに誘い誘われ、

週一ぐらいのペースでご飯にも行っている。

僕の気持ちは常に、僕にはもったいない、と揺るがない。

好き、というより、憧れに近いかもしれない。

相方たちに相談や思い出話をしてるうちに、この気持ちは芯を太くしていった。

ただ、この相方たちへの相談や思い出話で、少し思うところがある。

つづちゃんは、真剣に話を聞いてくれる。

いいことがあれば、よかったじゃん、と言ってくれて、

悩みを言えば、一生懸命考えてくれる。

ところがバシはどうだろう。

何を言っても、常にフワフワしている。

いや、

モヤモヤしている。

常に意識半ばで、フラフラとしている。

「ねえ、バシ」

石橋「ん？」

「Aさんのこと、どう思う？」

石橋「いいんじゃない？」

「……次のライブのネタ、何にする？」

石橋「俺は何でも」

この調子だ。心配でしかない。

「ねえバシ、悩み聞いてあげるよ」

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