月が綺麗ですね(1)【石橋遼大】 (ページ38)

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都築「だってよ、どうすんの？」

石橋さんのことをもっと知りたいという文字を、

この目でちゃんと見てしまった。

本心か否かは別としても、

何故か体が熱くなる。

後藤「会わないと知れないこと、たくさんあると思うよ？」

都築「俺ら来週末休みだよな？一日遊んでこいよ」

会わないと知れないこと。

僕は女の人と話すのは苦手だ。

こんな僕でも、直接会って、

Aさんのこと、たくさん知れるだろうか。

都築「あ、でも、無知で行くのも心配だからさ、

　ちょっとぐらい情報入れてけよ？

　Aちゃん今、━━━━━━が欲しいんだってさ」

後藤「よくそんなこと聞けたね」

都築「だろ？」

今欲しいもの。

これが聞けただけでも十分だろう。

週末。一番混むときに、

僕がどれだけAさんを喜ばせられるだろうか。

まるでもう会うことが決定してるような言い草だが、

声をかけてもいない。

気持ちだけが先走るのも、

愛の証拠なんだろうか。

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