月が綺麗ですね(1)【石橋遼大】 (ページ22)

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ここは上野、駅前。

Aさんは誘ったら断らないってよ！と、都築に言われ、

半信半疑で誘ってみたら承諾してくれたので、

待ち合わせ場所に来ている。

行きたい場所とかありますか？って聞いたら、

ちょうど観たい映画があると言われたので、

ちゃんとチケットも取って、

その後のご飯の場所も予約したし、

きっと大丈夫だろう。

夜は冷え込むはずなのに、さっきから変な汗が垂れてくる。

「あ！すみません、お待たせしました！」

約束の20分以上前に来てしまった僕に謝るAさん。

余裕で時間前なのに。

「全然大丈夫です、行きましょうか」

A「はい！」

会うのは二回目なのに、何故か安心感がある。

けど、やっぱり緊張する。

平常心を保ちたくても、顔や態度に出てるのが自分でも分かる。

A「石橋さん？大丈夫ですか？」

なんて言われてしまったし。

そりゃそうだ、自分でもそう声かけるだろう。

大丈夫なわけないけど、

「ああ、すみません。大丈夫です」

と言って、二人で映画館に入っていく。

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