月が綺麗ですね(1)【石橋遼大】 (ページ14)

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ここは池袋、いけふくろう前。

先日連絡が来て、

どうしても私に会いたいと聞かなかったらしく、

相方さん二人も連れて来るらしい。

相方さんたちと会うのは初めてに等しいので、

少し、いつもと緊張の仕方が違う。

後藤「Aさんお待たせ！」

「あ、お久しぶりです！お仕事お疲れ様です」

いつものように、後藤さんは仕事終わりに駆けつけてくれる。

これがいつもになってるのが、本当に申し訳ないし、

後藤さんの優しさが伝わってくる。

「うわ、Aちゃんマジで可愛いじゃん！」

後藤「つづちゃん初めて会う子にちゃん付けやめな？」

「あ、いや、大丈夫ですよ？慣れないですけど…」

都築「ほら、そう言ってくれてんだから！」

石橋さんは、噂通り喋らないんだな、とか思いながら、

夜の池袋をゆっくりと歩いていく。

こうやって、定期的に食事に行けるだけでもとても幸せで、

繰り返しだらけで色のない私の生活に、

一つ、明かりを灯してくれる。

そう、

この、月みたいに……

後藤「どうしたの？ぼうっとして」

「あ、いや！なんでもないです…」

だめだめ、考えすぎないようにしなきゃ。

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