第27話 ページ30
向こうは攻勢をやめ、こちらも防衛状態であったため、前線は自然と停戦状態となった。
ーーーー
俺はトーチカ付近に止まった歩兵輸送用装甲車から降りると、先に集まっていた幹部達の顔を見渡し、書記長トントンに敬礼をする。
鬱「え、トン氏も来たん！？」
トントン「ああ、俺はやっぱり実力があるのに後方で控えるのは嫌だからな」
トントンは持っていた大剣___粛清剣を縦に振り、鬱先生の目先に向ける。
A「あの…本題に移りますね。」
今は午前10時。11時には作戦に行動を移したかったため幹部達の会話に横槍をさす。
トントン「おう。」
A「作戦は無線で伝えた通りなのですが、問題が発生しました。」
俺はトーチカ内にある机の上に広がった地図にピンを刺していく。
A「今ここにいないショッピさんから連絡が来ました。向こう側に行っていた偵察隊が全滅したらしいです。偵察機からは…ここと、ここと…ここに、幹部らしき人物が居たと、あと、丁度ここから西に向かった方向に、総統グルッペンが来ているのが確認されたようです…」
言いながら声をだんだん小さくする。本当にグルッペンは何か仕掛けてくるつもりなのだ。予測はついても確定までには至らず、相手の手が全く読めない焦燥に駆られる。
トントン「なるほど、まさに総力戦やな」
一方のトントンは至って冷静に状況を分析している。その顔はどこかこの状態を楽しんでいるようで、その雰囲気に俺も頭が冷える。
エーミール「腕がなりますね」
ロボロ「俺も久しぶりの前線やわ」
鬱「え、大丈夫なんそれ」
トントン「どうやろうな」
A「総力戦といってもこの川のラインを突破するために今回幹部と書記長のあなた方に力添えを頼みました。なので、前線を国境線から押し込められた時点で書記長トントンには撤退していただきます。」
トントン「ああ、戦線が安定し次第撤退させてもらうわ。」
俺は頷くと、トランシーバーを手に取る。
A「これより30分後、総力戦を開始する！各自持ち場に着き、出撃準備を進めるように！」
トランシーバーは機械の底で小さく震えた。
一方的に全体へ届ける無線通信機であるため、本当に伝わったか心配ではあるものの、これなら耳につけた無線通信機器が壊れて孤立しない限り伝わる高性能なものだ。
ロボロ率いる情報処理班技術部の腕を信じることにして、俺も出撃準備のためテントに向かった。
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R2KD(プロフ) - お菊さん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえて嬉しい限りです！ご精読ありがとうございました！ (2019年7月29日 18時) (
レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
お菊(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読まさせて頂きました！お疲れ様でした(*^^*) (2019年7月28日 10時) (レス) id: 713a645346 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - Верныйさん» コメントありがとうございます！細かいご感想をいただき至極の極みです…前線指揮は一番力を注いだところでもあるので、注目してもらえてとても嬉しいです！ (2019年7月23日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
Верный(プロフ) - 戦闘描写、特に主人公の前線指揮がかっこよくて好きです。あとあとセリフ回しがとても上手くて大好きです。これからも応援しています、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 982a621621 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - かなとさん» ご報告ありがとうございます！！ (2019年7月14日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R2KD | 作成日時：2019年7月14日 18時
