第25話 ページ28
しばらく考えてから、結局寝ることに決めた。近くにいた侍女に夕食の時間になったら起こしてくれと声をかけてからベッドに体を預けた。意識は深くまで沈み、夢は見なかった。
ーーーー
俺は寝ていたのだが、人が近づく気配がして素早く上体を起こす。
「きゃあっ！？」
侍女が起こしに来てたらしく、急に起き上がった俺に悲鳴をあげる。
A「あ、すまん！忘れてた！」
「だ、大丈夫です。それよりもお怪我は大丈夫ですか…？」
A「大丈夫だ。ありがとな」
「身に余るお言葉恐縮です。」
俺は侍女に微笑みかけると流暢な敬語で返される。清楚で知的なその姿は俺にはもったいないくらいだ。侍女がここまですごい人達で本当に昨日から驚かされてばっかりである。
A「みんな頑張っているんだから俺もこんなところで休んでいるわけにもいかないな」
伸びをして呟くと、侍女の耳には聞こえていなかったらしく、俺の目を見返してから、ハッとして視線を逸らす。
ーーーー作戦実行日
足の傷は切り傷が数カ所、腕は打撲が主、頬にもかすり傷が１つくらいで、みぞおちの打撲の痛みもだいぶ引いた。
軍医からは、シャオロンの攻撃をもろに食らったのによく折れなかったものだと言われた。
たしかに、爆撃機の爆弾と、爆撃機を地上から打ち返す程の力の持ち主なのだから死んでもおかしくはなかっただろう…それだけ手加減できるなんて、相手の技量の高さを再び怖く感じた。
トントン「A、ここが本当の正念場や、現状見える情報しかない。グルッペンがどんな手を持っているかわからない以上最大の警戒にあたって臨んでくれ。」
戦場に向かう途中で書記長トントンに出会ったのだが、このような話を30分間くらいぐだぐだと話された。
早く起きたとはいえ戦場に遅れないかと心配になったが、第一tn国トップの激励であるし、肩をがっちりと掴まれていて身動きが取れない。俺は複雑な心の中でため息をそっとついた。
本部を出てから、しっかりと長靴の靴紐を結ぶ。
立ち上がりもう一度本部を見上げると、しっかりとしたコンクリート製の建物が重々しい雰囲気を放っていた。
平和な後方での3日間に名残惜しさを覚えながらも前を向いて帽子を深く被る。
俺は歩兵輸送用のトラックに乗ると、そこには鬱先生と怪我が完治した戦友達が先に乗っていた。
A「諸君、出撃だ。」
空気が張り詰め、軍人であることを再確認できる息のあった鋭く短い返事が返ってくる。
『了解！！！！』
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R2KD(プロフ) - お菊さん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえて嬉しい限りです！ご精読ありがとうございました！ (2019年7月29日 18時) (
レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
お菊(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読まさせて頂きました！お疲れ様でした(*^^*) (2019年7月28日 10時) (レス) id: 713a645346 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - Верныйさん» コメントありがとうございます！細かいご感想をいただき至極の極みです…前線指揮は一番力を注いだところでもあるので、注目してもらえてとても嬉しいです！ (2019年7月23日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
Верный(プロフ) - 戦闘描写、特に主人公の前線指揮がかっこよくて好きです。あとあとセリフ回しがとても上手くて大好きです。これからも応援しています、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 982a621621 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - かなとさん» ご報告ありがとうございます！！ (2019年7月14日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R2KD | 作成日時：2019年7月14日 18時
