第23話 ページ26
A「どうぞ」
「失礼します。」
陸軍大臣配属の侍女達が部屋の中に夕食を運んできた。ふと外の景色を窓から覗くと、黄金色の太陽が山の間に沈んでいる最中であった。ひんやりとした空気がどこからか部屋の中へと流れ込んでくる。
A「ありがとう。君達も早めに夕食をとってくれ」
「承知しました。」
俺が微笑みかけても、侍女達の表情は無表情であった。そのまま部屋の外へと礼儀よく出て行く。このtn国本部には幹部と俺と書記長など、血生臭い奴らしかいないから知らないうちにだいぶ精神が疲労しているのかもしれない。
だが、俺は特に何もできない。そもそもあまり本部にいないためどう声をかけたらいいのかよくわかっていないのだ。
A「いただきます。」
手を合わせ食事に手をつける。最近は前線で質素なものばかりを食べていたため肉やら野菜やら、丁寧に味付けされた料理はとても美味しかった。
飲み物には赤ワインと牛乳が置いてあった。
残念ながら今年で17歳の俺はまだ酒を飲まないようにしているため、牛乳だけ口に含む。
まあ、侍女達は俺の歳なんて知らないから置いてあるのは仕方ないだろう…
A「…」
飲んでみたい意欲が湧いてきたが、結局手をつけず、ため息をついた後浴場へと足を運んだ。
その後、第31歩兵師団から第60歩兵師団全部(同じ内容の指令は各師団長にまとめて伝えたからもっと少ないが)に指令を出し終えた俺は倒れるようにベッドに潜った。
ーーーー翌日
戦況について各部から報告が上がるのだが、
午前中に全60歩兵師団からの報告を確認するのは俺1人では到底無理な話である。
どうしようかと思ったが、それを侍女達が15時にわかりやすくまとめて持ってきてくれた。侍女といえば、身の回りの世話などをするものであると思っていたし、学は戦時中であるため良い質のものは無いと侮っていたから、正直驚かされた。
A「あ、ありがとう。大変だっただろ」
「いえ、いつも国のために命をかけていただいているのに、何もしないわけにはいかないので」
十分世話をしてもらっているんだけどな…と心の内で思いつつ、俺は心底感謝しながら書類に目を通す。
今日だけでなく、俺がいなかった3日間分もまとめてくれていた。
大雑把にまとめると、前線はまさに一進一退で、お互い手の内を読みすぎて打つ手なし。
膠着状態であるらしい。
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R2KD(プロフ) - お菊さん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえて嬉しい限りです！ご精読ありがとうございました！ (2019年7月29日 18時) (
レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
お菊(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読まさせて頂きました！お疲れ様でした(*^^*) (2019年7月28日 10時) (レス) id: 713a645346 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - Верныйさん» コメントありがとうございます！細かいご感想をいただき至極の極みです…前線指揮は一番力を注いだところでもあるので、注目してもらえてとても嬉しいです！ (2019年7月23日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
Верный(プロフ) - 戦闘描写、特に主人公の前線指揮がかっこよくて好きです。あとあとセリフ回しがとても上手くて大好きです。これからも応援しています、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 982a621621 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - かなとさん» ご報告ありがとうございます！！ (2019年7月14日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R2KD | 作成日時：2019年7月14日 18時
