第12話 ページ14
ーーーーエーミールside
時は早朝へ遡る。
土埃が舞い、草一つ生えないこの平野は、かつては麦畑が永遠と広がっていた。
今は、敵軍がこの平野まで来るのを待っていた。
私は戦車部隊隊長であり幹部の一人「エーミール」。
tn国は威力の高い戦車を量産したのだが、
その代償として、移動するたびに燃料を大量に消費し、固く補装された道の上しか通れない戦車師団ができてしまったのだった。
そのため、戦線は前線が抜かれても追い返せる…つまり、撤退する可能性の低い場所に戦線を配置することで、コストパフォーマンスをよくする戦略であった。
正直言って、当初私はこの作戦に反対だった。戦車は戦場には欠かせないものだと思っていたし、gr国側は戦車師団を前線に配置していたのだ。
いくら陸軍大臣が強くて、鬱先生とショッピくんを配置したからって、それだけでは戦車分の戦力を補えるとは思わなかった。
しかし、それはセオリー通りの戦争の場合だ。
陸軍大臣は敵軍中央に突っ込んで戦車の砲撃を封じるという戦法を見事実現させてしまったから、セオリー通りの戦いは通じない。
陸軍大臣を放っておいたらあっという間に敵要衝まで突っ切ってしまうだろう。
実際、3日目の戦闘では敵要衝近くまで大軍を率いながら突っ込んでしまった。
あの時の戦況はかなり混乱していたそうだ。
敵は撤退する時に戦車が撤退できないと判断し、殿の軍団として突撃、自爆させたらしい。
…敵の手に渡るくらいならと思っての判断だったのだろう。
その戦闘はgr国側の大敗によって終わった。
2個敵戦車師団も潰したらしい。
「エーミール隊長！敵の歩兵団です！」
部下から無線での報告を受ける。私も望遠鏡を除くと、たしかに地平線に黒い点々が少しずつ増えてきた。
敵歩兵師団3個師団が地平線からこちらへ進軍していた。恐らく第5、第7師団が撤退口を塞いだことがまだ通知されていないのだろう。
エーミール「こちらが圧倒的有利ではありますが、敵も頭が回るエリート歩兵師団です。
くれぐれも慢心の無いように。作戦通りにいきますよ…
第2、第3戦車師団。第一次砲撃開始！」
私が無線に向かって言葉を放ってワンテンポ置いた後、轟音と共に多数の砲弾が彼方の敵歩兵師団へと雨のように降り注いだ。
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R2KD(プロフ) - お菊さん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえて嬉しい限りです！ご精読ありがとうございました！ (2019年7月29日 18時) (
レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
お菊(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読まさせて頂きました！お疲れ様でした(*^^*) (2019年7月28日 10時) (レス) id: 713a645346 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - Верныйさん» コメントありがとうございます！細かいご感想をいただき至極の極みです…前線指揮は一番力を注いだところでもあるので、注目してもらえてとても嬉しいです！ (2019年7月23日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
Верный(プロフ) - 戦闘描写、特に主人公の前線指揮がかっこよくて好きです。あとあとセリフ回しがとても上手くて大好きです。これからも応援しています、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 982a621621 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - かなとさん» ご報告ありがとうございます！！ (2019年7月14日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R2KD | 作成日時：2019年7月14日 18時
