第10話 ページ12
兵士「何故そんなところに入っていた？鍵が閉まっていたはずだが」
A「すまない、これを取ってきてくれと頼まれていたんだ」
そう言って鞘に収まっているマチェットを軽く見せ、素早く立ち去る。
兵士「待て、お前脱走した捕虜だな！」
兵士の怒鳴り声に反応して周りの兵士も集まってくる。思ったよりもすぐにバレてしまった。俺は階段を駆け下り二階だと確認する。
しかし、現実は甘くなく、一階に降りる階段がなかった。
俺みたいな脱走者がすぐに一階に降りられないように別のところにあるのかもしれない。
すぐ後ろからは兵士が、廊下の両端からも怒鳴り声を聞きつけた兵士がやってきた。
俺が逃げ場をなくし辺りを見渡すと、目の前には飛び降りろというように人1人通れる窓があり、近くに木も生えていた。
一瞬の焦燥のうちに窓の外から銃声が聞こえた…きっと鬱先生だ！
俺は迷わず窓を開けそこから飛ぶと同時に彼方に向かって女声で叫んだ。
A「鬱先生ぇー！！」
自分でも気持ち悪いと思ってしまうが、同時に銃声が止み、黒い物体が高速で俺をキャッチしてくれた。
鬱「どうもレディー…ってAかよ！」
A「ありがとうございます」
俺は鬱先生の反応に気にせず律儀にお礼を言った。緊急時とはいえ上司をこき使ってしまった罪悪感からだった。
鬱先生もそれに気付き、表情を変えると、俺を抱えたまま高速で森の中を走り抜けていく。
鬱「やっぱりついてきちゃったか…」
鬱先生がそんなことをぼやくから俺は少し頭を動かして後ろを向くと、ゾムが後ろからついて来ていた。
その表情はどこか楽しげで、俺はサイコパスを連想させる。
ゾム「待ってぇや大先生ぇ〜」
鬱「いやですー！！！」
ゾムは両手に銃を構え連射する。それに対して鬱先生は俺を抱えているのにもかかわらず弾幕の中をすんでのところで全て躱した。
これは噂でしかないのだが、鬱先生がこんなに身体能力が高いのは一時期その身を乗っ取る化け物がいた名残りのお陰であるらしい。
その身体能力を実際に目にして俺はその噂が本当のように思え、誠に申し訳がないのだが思わず悪寒がした。
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R2KD(プロフ) - お菊さん» コメントありがとうございます！楽しんでもらえて嬉しい限りです！ご精読ありがとうございました！ (2019年7月29日 18時) (
レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
お菊(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読まさせて頂きました！お疲れ様でした(*^^*) (2019年7月28日 10時) (レス) id: 713a645346 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - Верныйさん» コメントありがとうございます！細かいご感想をいただき至極の極みです…前線指揮は一番力を注いだところでもあるので、注目してもらえてとても嬉しいです！ (2019年7月23日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
Верный(プロフ) - 戦闘描写、特に主人公の前線指揮がかっこよくて好きです。あとあとセリフ回しがとても上手くて大好きです。これからも応援しています、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2019年7月16日 21時) (レス) id: 982a621621 (このIDを非表示/違反報告)
R2KD(プロフ) - かなとさん» ご報告ありがとうございます！！ (2019年7月14日 19時) (レス) id: d53d7e484c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R2KD | 作成日時：2019年7月14日 18時
