FAKE or REAL 2

EP2-9 ページ9

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そうなるのも当然だと思う。
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8年近く業界に居る俺ですら
過剰な取材や突撃には驚くし、必要以上に身構えてしまうから。
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コレばっかりは体験してみないと伝わらないと思うけど…
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隠さなければならない事があればあるだけ
守りたい者や守るべき物があればあるだけ
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不安や怖さを感じる。
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それでも平然を装い
時には恰も真実かのように嘘を突き通す。
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上手く誤魔化せた時ほど、自分自身のことも怖くなる。
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たぶん、アイツは後者にダメージを受けただろう。
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降り掛かってきた出来事よりもね。
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そういう女だから。
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HIRO --だからホテルに移動して貰ったんだ。
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広臣 --そうだったんすね、…
てっきり、俺と接触させない為だけだと思ってました…
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HIRO --いや、モチロンそれもあるよ。
というより統括からすればメインはそっちだろう。
アイツは俺と違って、常に最悪の事態を考慮して動ける冷静な人間だから。
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広臣 --……そう、っすね…
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HIRO --ふふ、でな？
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ごく自然に出てきた、ウチの幹部。
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実はチョットあって……
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思わず含みを持たせてしまったものの、決して触れずに
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わかってはいるけど知らん顔をしてくれたのであろうHIROさんはそのまま話を続けた。
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HIRO --先に荷物を取りに家に向かったら男が待ち構えてた。
俺はまた記者だと思って、若干身構えたんだけどあの子が小さい声で…お父さんって。
詳しいこと知らないからアレだけど…何となくね、一人にしたらダメな気がして一緒に上がらせてもらった。
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広臣 --…すいません。何から何まで。
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HIRO --いや。俺は全然良いんだよ？
ただ…あの子は登坂に傍に居て欲しかったと思う。
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広臣 --…単純に会いに来たワケでは、？
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HIRO --違う。お金の話だ、それも開口一番で。
だから久しぶりの再会だとは全く気づかなかったよ。
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広臣 --え…
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HIRO --しかも手元にないなら俺に借りて貸せ、娘なんだから当然だろ？って。
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広臣 --は？
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HIRO --あの子、泣きそうな顔で笑ってたよ。
どうしちゃったの？本当にお父さんなの？って。
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約２０年の時を経て、そんな形で約束を果たされるなんて……
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アイツの気持ちを考えると
ただただ胸が痛かった。
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