FAKE or REAL 2

EP2-35 ページ35

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寝耳に水過ぎて時が止まった。
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そんな俺を見て、一段と弱々しく「HIROさんと同じ…」だって。
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広臣 --いやそりゃそうだろ。
つーか、俺の周りなら誰が聞いても驚くって。
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A --うん……今はわかってる。
それで私も混乱というか……ごめん。
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広臣 --……大丈夫、俺の方こそゴメン。
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１に１０を返してくる奴なのに…コイツらしくない。
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だからこそ、何となく察しがついた。
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お父さんの事とか記者の事とか。
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あの頃の経験を思い出して、重なってるのかもって……
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反射的に声を荒らげてしまったことを謝りながら、距離を縮めて座り直した。
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あの頃とは違う。
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一人で怯えなくていい。
一人で抱えなくていい。
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そんな気持ちが少しでも届くように。
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広臣 --HIROさんにも聞かれたかもだけど…
いつかかってきたの？どうして俺だと思った？
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A --１ヶ月くらい前。出勤したら登坂さんから電話があったよって。
で、真剣に付き合ってる相手が居るから２度と連絡しないでくれって…伝言。
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俺が勢いで電話を掛けた時期と同じ。
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なのに本来の伝言に関しては何もない。
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となると、たぶんコイツの耳には入ってないワケで
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俺が伝言を預けた相手が何らかの理由で内容を摩り替えたんだとも思ったけど………
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A --最初は不思議だった、どうして今更そんな事？って。
けど、私も臣にはもう彼女が居ると思ってたし
なにより名前が出てくる筈がないの、LDHとの繋がりを知ってる人が居ないから。
社長にすら今はもう全くない、元々仕事以外に交流はないって伝えてるもん。
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そうなんだよね。
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コイツが不用意に俺の名前を出す筈がない。
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ゴシップ。
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そこに対する警戒心が本人の俺以上に高いから。
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