EP2-30 ページ30
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もう少し飲んでくれば良かった。
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そしたら、この匂いには気づかず
ほっこりに救われたまま眠れたかも。
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そんな事を思いながらエレベーターを降りて……
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前後に動く自分の足を見つめながら、慣れ親しんだ廊下を進むと転がったペットボトルが目に入った。
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広臣 --ったく……え?…は、?
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”ゴミはゴミ箱に”んなことも知らねーのかよ。
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なんて思いながら、視線をズラしたらウチの玄関前で女が体育座りをしてた。
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広臣 --……なん、で…?
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人間は本当に驚くと、叫び声を上げるとかジタバタ騒ぐとか。
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そういう派手でわかり易いリアクションは出来ないんだと知った。
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だって、今の俺。
呆然と立ち尽くしちゃってるもん。
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会いたくて会いたくて仕方なかった奴が目と鼻の先に居るのに。
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たぶん、だけど……
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広臣 --………A、だ…
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予期せぬ出来事過ぎてパニック。
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”幻覚”を見る迄になった、と思う方が現実味がある気がする程に信じられない。
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だからだろーね。
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まるで、コソ泥のように忍び寄り
物音を立てないようにそーっとしゃがみ込んで、顔を確認しちゃった。
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で、やっと確信。
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途端にドバっと、抱き締めたい衝動が湧き上がってきたんだけど……
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広臣 --ふふっ…
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間抜け面で爆睡してんだもん。
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相変わらず、ムードもセオリーも無い女だなぁ…って。
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普通は起きてるでしょーよ。
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念願の再会なんだからお涙頂戴させろっつーのに…
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広臣 --……痩せた、な…
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とか思った筈なのに、気づいたら微かに視界が揺れてて。
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”あー、俺、泣いてんじゃん”って。
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あの頃よりもシャープになったけど、記憶の中にある幼い寝顔のままだったから…
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安心しちゃったのかな。
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広臣 --…はぁ、……っ、…会いたかった、ぞ…?
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マジで意味わかんねーし、視線すら重なってないのに…
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もう幸せだわ、俺。
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あい(プロフ) - ついに、主人公ちゃんに会えるーー!!(≧∀≦) (2019年4月2日 7時) (レス) id: b0db6b66e1 (このIDを非表示/違反報告)
h(プロフ) - お話の続き読めて嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2019年4月1日 21時) (レス) id: fa23d06537 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - えぇーーーっっ!!(>_<)私はstoryの制作方法が分からないのですが、それはきっと作者さんにとって大変なことですよねっ(>_<)泣いていいと思います!。・゜・(ノД`)・゜・。 (2019年3月21日 23時) (レス) id: a92d4034a6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何だかちょっとずつ2人の距離が近づいてきた気がきて、ワクワクとドキドキが止まりません♪(*≧∀≦*)楽しみすぎるー!! (2019年3月12日 21時) (レス) id: a92d4034a6 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - またこの作品を読めることが本当に嬉しいです!!omirriさんのお話はすごい続きが気になって、でも終わってほしくなくて、本当に大好きです!これからも楽しみにしてます!ご無理はせずにご自愛くださいっ!(≧∀≦) (2019年3月2日 22時) (レス) id: 861cf93fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:omiriii | 作成日時:2019年3月2日 8時