FAKE or REAL 2

EP2-23 ページ23

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直人 --前の臣だったら、この状況でそんな風になった？
過去が頭から抜けるなんて有り得なかったでしょ？
寧ろ重ねちゃって、引っ張られちゃって…ワケわかんなくなってたと思わない？
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広臣 --…確かに。
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直人 --でしょ？現に岩チャンからよく言われてたじゃん。
Aを誰と間違えてんの？あの子とは似ても似つかないよ？って。
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広臣 --うん……
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直人 --そんな事を何回も言われちゃうくらい簡単に引っ張られてた、些細な事でもね？
正直俺も思ってたもん。棟梁辛いだろうなぁって。
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広臣 --え？
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直人 --今だから言えるけどね？心苦しくて仕方なかった。
だって、何かある度に別の人を重ねられてると感じたらさ？
どんだけ信用してても、自信なんて持てないじゃん。
誰だって不安になるでしょーよ、好きなら尚更。
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広臣 --うん……
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直人 --しかも、棟梁はそんな自分を嫌うタイプでしょ？私は弱いなぁダメだなぁって。
自分が未熟だからとか思っちゃいそうじゃん、真っ直ぐな子だもん。
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ー強くなりたいって言ってた。
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広臣 --はぁ……
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直人 --あ…ごめん。言い過ぎた…？
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広臣 --んーん、的確だなぁと思って……それで？
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直人 --あぁ、だからね？傍に居る時でもそんな感じだったワケだから
こんな状況で昔の事が頭から抜けちゃうなんて前は絶対有り得なかった筈なんだよ。
結局は皆、俺から離れていくって…思っちゃってたかなって。
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思ってた。
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ほんの少し前まで。
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心の奥底で。
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直人 --なのに引っ張られるどころか消えてってるんでしょ？
乗り越えられた証拠でしかないじゃん。
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広臣 --…そうなんすかね？
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直人 --うん。少なくとも俺はそう思うよ？
だから臣はもう大丈夫かなって……まぁ棟梁はわかんないけどね、ぶっちゃけ。
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