PRINCESS IS BACK ３

EP3-47 ページ47

『頑張れ』
『応援してる』

そんな声が沢山届いて
登坂は少し泣きそうになってた。

そして、ステージ袖で
訳も分からないまま
成り行きを見守っていたAも
目を真っ赤にしてた。









ー言ったろ？
お前が何も心配せず頷けるようにする。
その時、最後の一本渡すって。









三代目のメンバーに連れられて
ステージに上がったAに
登坂はそう言いながら
最後の薔薇を差し出した。









ー108本の薔薇の意味は
『結婚して下さい』なんだよ？

俺は、お前が居ないと生きて行けないの。

Aの居ない人生を
想像しただけで、絶望を感じるくらい
俺にはお前が必要不可欠。

本当に、心から愛してる。

だから
俺と結婚してくれませんか？









その場に居た全員が
息を飲んで見守る中
Aが泣きながら、何かを呟いた。

マイクが通ってないから
何を言ったのかわからなくて
一瞬、不安な気持ちになったのを覚えてる。


でも、すぐに
登坂が泣きながら口角を上げて
何かを呟きながら
Aに近寄って
強く抱き締めたから、ホッとした。

そしたら
途端に胸が熱くなって
涙が溢れた。









ーおめでとう、A。
、、幸せになれ、、絶対幸せになってくれ。









ずっと黙って見守ってた
ATSUSHIさんが
涙声でそんな事を呟くから
尚更、涙が止まらなかった。

あの時の感情を
言葉にするならば

喜びや感動より
【安堵】が
一番しっくり来るかもしれない。









広臣 --なんで歌ってんの？笑

敬浩 --、、え？なんて？









いつの間にか
戻ってきてた登坂が
不思議そうな顔で笑いながら
俺のグラスに
ワインを注いでた。

そして、また一言。

『なんで、急に俺らの曲？』って。









敬浩 --は？俺らの曲って？

広臣 --え？今、口ずさんでたよ？LOVE SONG。

敬浩 --え！嘘？！

広臣 --は？無意識？え？まさか夢遊病？笑

敬浩 --うん。完全に無、、おい！誰が夢遊病だ！笑

『『あははっ』』









全くに身に覚えが無いけど
どうやら俺は
過去を振り返りながら
あの時の思い出の曲を
無意識に口ずさんでいたらしい。

EP3-48→←EP3-46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す