PRINCESS IS BACK ３

EP3-43 ページ43

ーありゃ、結構長引くかも。









珍しく、千鳥足になるほど
酔っ払ったHIROさんを乗せた
送迎車を見送ると

ATSUSHIさんは
苦笑いしながら
そんな事を言っていた。



その言葉の通り
登坂が挨拶をする事が出来たのは
この時から4ヶ月後。

反対していた訳では無い。
むしろ、誰よりも喜んでいたと思う。

だから、正直
俺を含め周りは皆、驚いた。


けど、後々
この時の心情を聞いて
何となく納得出来た。









ー上手く言えないんだけど
改めて、向き合ったら
心にポッカリ穴が開きそうで怖かったんだよ。

嬉しいんだけど
寂しいというか、切ないというか。

二人三脚で生きてきたつもりだし
あの子との日々は
俺の人生その物だからさ、、
結構、複雑だったんだよ。









親子であり
師弟であり
色んな形の苦楽を共にしてきたからこそ
心の準備に時間が掛かったのだと。









ー皆に、話しておきたいことがある。









HIROさんが
本人達以外の事務所関係者を集めて
こう切り出したのは
登坂と話をする数日前。

至って真面目な雰囲気で
改まってきたけど
俺達は、とっくに知ってたから
やっと心の準備が出来たのかっていう
安心の想いで一杯だった。









ー登坂が、Aにプロポーズするらしい。
その為に近々、俺のとこへ挨拶に来る。

勿論、許可するつもり。

反対する理由が無い。いや、、無くは、、ないか？
アイツ色々やらかしてる、からな、、
結構、A泣かされてる、、よな？ん？あれ？









俺達に話し掛けていたのに
急に自問自答し始めたHIROさんに
激を飛ばしたのは
勿論、この人だった。









ーHIRO！いい加減にしなさいよっ！
登坂以外、Aに相応しい男なんて居ないの！
何回言ったらわかるの！！
さっさと話なさい！！皆、暇じゃないんだよ！！









弓子さんの怒鳴り声に
我を取り戻した顔をしたHIROさん。

思わず俺達は皆
声を上げて笑ってしまった。

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