PRINCESS IS BACK ３

EP3-3 ページ3

俺の声で我に返った臣は
すぐに彼女を抱きしめて
何度も何度も、謝った。

その焦る姿を見て
やっぱり、何かあるんだと
確信したと同時に

臣の精神状態も
ギリギリのラインを保っているんだと感じた。









ー怒鳴った事は謝る。
でも、言っていい事と悪い事があるだろ？
お前が俺を忘れるなんて、有り得ねぇよ。
だって、俺達【必然】だろ？









彼女の髪を撫でながら
そう言った臣は
○んだ瞳で言葉を続けた。









ー俺は、お前がどんな後遺症を負っても
離れるつもりはないし
そんな事、これっぽっちも考えてない。

お前が生きて
俺の隣に居てくれれば
本当にそれだけで、十分だから。



ーでも、もしも、、忘れたら、、
広臣、絶対辛いもん。
そんな想い、、させたくない、、









涙を流しながら
苦しそうに想いを伝えた彼女を

臣は歯を食いしばって
涙を必死に堪えながら見つめて
優しくもあり
強くもある声で、こう言った。









ーお前が話せなくなったら
俺が代わりに話す。

お前が歩けなくなったら
俺がおぶってどこでも連れ行く。

お前が記憶を無くしたら
俺が全部教える。

お前が万が一、、はぁ。









そこまで言うと
堪えきれないと言った様子で
臣は、涙を流した。

それでも
彼女を真っ直ぐ見つめ
言葉を続けた。









ーお前が、万が一、俺を忘れたら、、
もう一回最初から始める。

何年掛かろうが
何回断られようが
絶対、諦めない。

必ず、もう一回惚れさせてみせる。
必ず、俺の女にしてみせる。









涙を零しながらも
真っ直ぐ、嘘のない瞳で
言い切った臣は
震えていたけど、逞しく見えた。









ーお前が生きて
側に居てくれるなら
他の事は、全部大した問題じゃない。
だから、全然辛くない。

でも、お前の側に居れなくなる事を
一瞬でも想像したら、息が出来なくなる。
辛くて、怖くて、、耐えらんねぇ。

大袈裟なんかじゃない。
嘘も偽りもない。

それくらい
俺にとっては、Aが全てなんだよ？

だから
もう二度とそんな事、言わないでくれ。

どんなんなっても
俺から離れるなんて、二度と考えないでくれ。









互いが、互いを心配して
互いが、互いを守ろうとしてる。

不安も恐怖も悲しみも
必死に受け止め
相手を想う気持ちを貫ことしてる。

【寄り添う】とは
こういう事なのかもしれないと

泣きながら
抱き合う二人を見て、強く感じた。

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